アルルの京都出張

 

 こんにちは~アルルです。

 

 この前京都に行ってきました。タイトルにもある通り旅行ではなく出張です。なので割と虚無なんですけど、まあ行ったことには行ったのでブログにしておこうと思います。

 

 前回マジで文章も画像も多すぎてとんでもないことになったので、今回は文章少なめ、画像ちょい盛りのあっさり仕立てでいきます。京風料理みたいな感じですね、知らんけど。食ったことねーけどそんなもん。

 

 じゃあいきます。

 

------------------------------------------------------------------------------

もくじ

------------------------------------------------------------------------------

 

~12/10 準備編

 

 12月に京都で研究会があるよ~というメールが届いたのは、大体11月の初め頃でした。この研究会はまあざっくり言うと僕が(そしてもちろんマブも)今研究で使っている数値計算手法の使い手たちの集まりみたいな感じで、これまでも定期的に(大体月1)zoomでミーティングが開催されていて、僕もマブの指示で自分の研究の進捗をここで発表して、そのformulationとか結果とかについて議論をしたりとか、まあそういう感じの、まあいわゆる学会みたいな厳格な感じではなくて、インフォーマルな議論をするための顔見知りたちの集まりみたいな、まあそういう感じですね。

 

 ただ1つ難点があって、この研究会、公用語が英語なんですね。構成員の9割以上が日本人であるにも関わらず。なので僕はこれまで何度もここで英語での発表を強制的にさせられ、英語で質問をされ、英語でそれに答えて・・・というハードワークをここまでやらされていました。

 

 で、そのミーティングを対面でやろうという話がその11月に来たわけですね。で、どういう感じの研究会かというと、まあ基本的には、その道の研究者たちが自分のやっている研究についてレクチャー形式で話しつつ、その日はそれについてみんなで議論、という形で、1日だけ短い研究発表を順番に行うワークショップがあるという形でした。

 

 まあ正直な話、「面白そうだけど、でも全部英語なんだよなこれ・・・」って思いました。ただこういう研究会って、大体において学生には旅費の補助が出るんですね。なので、「まあでもタダで旅行行けるならいいんじゃね?」って思って、マブに

 

 「この研究会って学生でも参加していいやつですよね?」

 

 とチャットで確認したところ、マブから、

 

 「はい、是非参加してください。ワークショップでの発表も申し込むと良いと思います」

 

 と返信がありました。あ、やっぱそういう感じなのね・・・。

 

 まあそんな感じで、僕の京都行きが決まりました。あとはまあ研究を進めつつ、スライドの内容考えつつ、今やっているTA業とかをどうするかみたいな、まあそういう話とかをマブと相談しながら、まあそんな感じで出発の日を迎えました。なんかこの間結構色々忙しくてアレだったんですけどまあざっくり省きます。京風なんで。

 

 

12/11

 

 出発当日。新幹線には12時ごろに乗り込む予定で、時間にはかなり予定があったので、朝は結構のんびり動いてました。ちなみにこの次の日にはもう僕の発表があったんですが、スライドの完成度はこの時点で大体60%くらいで、向こうに着いたらもう少し頑張って作業しなきゃな・・・って感じでした。

 

 

 

 新幹線に乗り、京都駅に着いた後、駅から少し歩いたところにあるバス停に行き、そこでバスに乗り込みました。このバスは銀閣寺道という、まあその名の通り銀閣の辺りにまで至るバスで、そこに観光に行くやら四条あたりの繁華街に出る人やらでめちゃめちゃに混んでいて、しかも何よりヤバいのが、山手線みたいに特定の駅でとんでもない量の出入りがあるみたいな感じではなくて、もう常に、どのバス停でも大量の人が出て大量の人が入ってくるみたいな感じで、キャリーバッグ&リュック&ショルダーバッグの三点セットを持っている僕は人の流れにめちゃめちゃにされてクッソしんどかったしバス酔いもするしで、もうなんか、もうこりごりだよ~><って感じでした。

 

 北白川何とかみたいなバス停で降車して少し歩いたところに、僕の宿泊地である「北白川学舎」というところに着きました。まあここで白状すると、この僕の参加する研究会というのは京都大学で行われる予定で、僕はその参加に際して旅費の補助と、accomodationの提供を行ってもらいました。その際に提供されるのがこの北白川学舎で、まあ写真を見てもらえれば分かりますが、

 

 

 (写真を撮り忘れていたのでgooglemapのスクリーンショットで我慢してください)

 

 めちゃめちゃ古い結構ヤバめの建物です。ただマブ曰く「京大に行く研究者は恐らく誰もが泊まったことがある」くらいにはまだ全然使われていて、僕が泊まっている期間も10くらいある部屋のほぼ全部が常に埋まっているという状態でした。

 

 中に入って呼び鈴を鳴らすと、足音が向こうから受付の方に近づいてくるのが分かりました。大体こういう古い建物の管理人なんていうのは、大体において60~70くらいの、なんかある種悟りを開いたみたいな穏やかな感じのお婆ちゃんだろうみたいな謎の偏見を持っているのですが、出てきたのは予想に反して、なんかめっちゃギャルっぽい化粧濃いめの若い女性でした。彼女は僕の名前と宿泊許可証をチェックすると、鍵の3つついた棒(ホテルとかでよくみるああいう感じの棒ね)を渡してくれました。

 

 

管理人「小さいのが部屋のデスクの鍵で、残り2つはこの建物の玄関の鍵と部屋の鍵ですね」

僕「ええと、どっちがどっちですか?」

管理人「玄関の鍵には印がついてるはずで・・・あ、なんか消えてますね。まあ差してみてダメだったら別の試してくださいw」

僕「あ、そうすか・・・」

 

 

 結局これは鍵の凹凸の配置を覚えることで解決しました。僕の部屋は4階の角部屋だったのでそこに向かいます。鍵を開けて中に入ると、

 

 

 なにこれ。独房?

 

 いや、まあ何もない部屋だとは聞いてたんですけど。寧ろユニットバスがついてることに驚いたくらいですけど。まあでもこの写真を見たら大体の人は「独房だな」と思うのではないでしょうか、知らんけど。

 

 チラホラ部屋の情報を出していくのがめんどくさいので、ここで泊まった感想を並べて置こうと思います。

 

○バス・トイレがある +5点

○暖房もちゃんと動く +5点

○1階に洗濯機・乾燥機があって無料で使える +15点

○1階のキッチンで電子レンジ・電気ポット・冷蔵庫が使える、ティーバッグやインスタントコーヒーもある +10点

○家電系が基本的に業務用じゃなく家庭用のやつなので操作感が分かりやすい +5点

○浴衣がある +5点

○有線LANがある +5点

○シャンプー・リンス・ボディソープがある(事前情報ではなかった) +3点

 

×スキマ風えぐい -10点

×5分くらいだしっぱにしておかないとお湯にならない -220点

×廊下がバカ寒い -10点

×ハンドソープがない -5000点

×床がバカみたいに汚い -30点

×スリッパがゲロ臭い -32000点

×シーツも浴衣も替えてくれない(宿泊の6日間ずっと) -1200点

×謎にめちゃめちゃ空気が乾燥している -100点

×トイレにウォシュレットがついていない -1145141919810点

 

 

 まあこんなもんですかね。他にもなんかあった気がしたけど忘れた。まあ総合的に言うとカス寄りですね。ていうかマジでスリッパ臭すぎた。何をどうしたらあんな臭くなるん?履くとマジで足クサくなるから靴下のまま部屋行き来してたら床めっちゃ汚くて裏にめっちゃゴミついてるしもう勘弁してくれ~って感じでした。

 

 ちなみに気になるお値段はというと、まあ僕は補助してもらったので払ったわけではないのですが、1泊あたり3400円らしいです。これを高いと見るか安いと見るか・・・。まあでもこの値段だとビジホでも結構微妙なところ多い気がする。さすがにサービスはホテルの方がしっかりしてるけどな。

 

 まあそんな感じです。まあでも宿泊施設を無料で提供してもらっている以上文句は言えません。

 

 それで、まあ荷物とかを置いて、デスクの上にPC出したりとかして、その後どうしたかというと、僕はとある方にtwitterのDMで連絡を取りました。

 

 

 divさんです。

 

 僕もつい最近まで知らなかったのですが、っていうか知ったのは出発の前夜だったんですが、彼は京都に住んでいるらしく、僕が「明日から京都行くんすよね~」みたいな話をしたところ、じゃあちょっと一緒にご飯でも行こうよみたいな感じになりました。そういう感じになったのが、出発前夜の僕の音ゲー配信での出来事ですね。ちなみに結構個人情報に踏み込んだ話をしてたのでアーカイブは非公開にしました。許してくれ。

 

 まあそんなわけでdivさんと連絡を取り、まあ僕が京大の近くにいるということで、京都大学の時計台のところで待ち合わせることになりました。なんか門のところに「関係者以外の立ち入りを禁じます」という立札があったんですが、構わず入りました。舐めるな。

 

 

 時計台がどこにあるかGoogle Mapで調べてその方に向かいつつ、僕はdivさんに、人違いの内容に自分の外見的特徴をつらつらと伝えていたのですが、そしたらdivさんの方から「分かりやすいようにUMRの書かれたノートを持っていく」という申し出がありました。それで僕は「いや、そんなノート1冊見分けられるかなぁ・・・?」と少し不安に思ったのですが、時計台の近くまで来ると、なんか明らかに普通のノートじゃない、vividな色合いのノートを持っている男性が立っていて、僕は迷わずその方に声をかけることができました。

 

 予定では一緒にご飯に行くつもりだったのですが、会った時は大体4時くらいで、夕飯時にはまだ早い時間帯でした。それでまあその辺をブラブラして時間でも潰すかみたいな感じになって、それで僕らは時計台のある本館に入り、その中にあった展示?っていうんですか?京大の歴史みたいな、まあそういう展示がある部屋に入りました。

 

 

 まあ正直何か特別なものが置いてあるわけでもなかったんですが、個人的には結構楽しかったです。まあでもやっぱり思うのは、京大の歴史というのは学生運動とは切っても切れないくらい深く結びついてるんだなぁってことですね。イデオロギーのぶつかり合いというか、なんかそういう熱いエネルギーみたいなものを感じて、僕はまあ嫌いではないですね。まあ実際巻き込まれたら溜まったもんではないと思いますが・・・。

 

 

 かの有名な福井謙一先生の研究室で使っていたらしい計算機。一体どうやって計算してたんだろう・・・普通に10進数だし。

 

 まあなんかそんな感じで展示を見てました。あとはまあこれも有名な湯川秀樹先生の講義ノートとか、当時の学生の卒論とか板書とか、そういうのもあって、当時の大学物理というものがどういう雰囲気だったのかを知れてよかったです。

 

 なんか、なんか、なんだろうな~。何というか。なんか、ホントに正直な話をすると、僕も高校生の時京大に行きたいな~と思っていた時期が少しだけあって、まあ結局諦めたんですけど、でもなんか、例えば僕がもう少し頭の出来が良かったら、ここで学んでいた未来もあったのかな~とか、なんかそういうことを思って、なんか、まあジェラシーじゃないですけど、まあそういうことをちょっとだけ思いましたね。まあ今となってはもうあまり気にしてないんですけど。

 

 まあそういう感じで、京大の中の展示みたいなのを見て、その後はなんか大学の外周辺をぶらぶら歩いていました。まあいわゆる百万遍?みたいな?あたりをブラブラ歩きつつ、京都の地理みたいなのを教えてもらいつつ、みたいな?まあそんな感じです。

 

 

 

 

 そうやって歩いているうちに時間もいい具合に暮れてきて、僕らはご飯を食べに行くことにしました。どこにいくかアレコレ悩んだ挙句、結局「ラーメンあかつき」というお店に行くことにしました。

 

 学生だと150円?割引してくれるみたいなのがメニューに書いてあって、でも大体こういうのって、まあ言ってしまえば地元学生向けサービスみたいな感じじゃないですか。僕普通に東京の大学の人間だったんで、「これ東京の大学でも適用されるのか・・・?」って思って、それで店員さんに、「あの、僕普通に東京の大学生なんですけど大丈夫ですか?」って聞いたら、店員のおっちゃんに「・・・?いや、普通に大丈夫ですけどw」みたいに笑われちゃってちょっと恥ずかしかったです。

 

 

 ラーメンはまあオーソドックスな醤油とんこつラーメンといった感じで、チャーシューが丼を囲うように置いてあるのがなんかオシャレですね(適当)。卓上調味料も色々あるんですが、珍しくカレー粉が置いてあっていい味変になったと思います。

 

 ラーメンを食べた後、僕らはバスに乗って四条の方に向かいました。四条というのは、まあいわゆる繁華街の方面ですね。なんでそこまで行ったかというと、僕が京都に来るときにパソコンにつけるマウスを持ってくるのを忘れてしまって、それで買いに行きたいと言ったからですね。

 

 

 それで、まあバス停の近くに会ったedionに入って800円くらいのクソ安いマウスを買って、ついでに薬局に入って酔い止めを買いました。行きにバスでクソ酔ったのでまあその対策ですね。

 

 それで買い物を済ませた僕らは、まあ適当に雑談しつつ歩いていたのですが、その間でdivさんから「またマリオをやってほしい」という申し出を受けました。

 

 僕は「うーんまあやりたいとは思ってるんだけどね~」みたいな反応だったんですが、そしたらdivさんが、「これ好きなの持ってっていいからさ」みたいな感じでスマホの写真を見せてきました。それはdivさんの自宅にある本棚の写真でした。そしてそこには、工学の本からプログラミングの本、システム制御とかプログラミングの本まで、様々な教科書が本棚に所狭しと並んでいました。全部divさんが趣味で買ったものらしいです。「もう多分読まないから好きなだけ持ってっていいよ」とのことでした。

 

 まあそんな感じで、僕らは四条を離れてdivさんの自宅に行きました。中に入ると、先ほど写真で見せてくれたものと全く同じものがそこにありました。それで、まあ正直に言うといくらでも持って帰りたいくらいだったんですが、流石に気が引けたのと持ち帰り切れないのとで、5冊くらいを頂きました。

 

 帰り際、駅に入る階段のところで、僕はdivさんに「絶対マリオ再開します」と約束しました。その約束が果たされたのかどうかは・・・まあ今の僕を見ていれば分かると思います。

 

 

 部屋に帰ったのは大体9時すぎかそこらでした。そこからお風呂に入ろうとしたんですが、そこで1つ問題が起きました。

 

 お湯が出ないのです。シャワーと水道の仕組みは、よくあるお湯と水の二種類のヒネリがあるタイプだったのですが、お湯のところしか捻ってないのに一向に水しか出なくて、ボイラーが古いのかなと思って5分くらい待ったのですが依然水しか出ず、僕は仕方なく学舎の管理人に聞くことにしました。

 

 1階の受付をノックすると、入ってきた時と同じギャルっぽい若い女性が出てきました。僕が事情を説明すると、「あーそれはですね」と言って、管理人の居室、というか客室の一つを間借りしたみたいな部屋の方に行って、「ちょっと散らかってますけど入っていただけます?」と言われました。

 

 それで中に入ると、「散らかってますけど」が社交辞令でないくらいに散らかった部屋があって、彼女はそこで部屋の壁に取り付けてある機器みたいなのを指さして「ここのボタンを押すとボイラーが付きますんで~」みたいなことを説明してくれました。

 

 僕がお礼を言って部屋を去ろうとすると、管理人は「ごめんなさいね~こんな散らかった部屋に入れてしまって」と言ってきました。僕はこれが字義通り謝っているのか、それとも「こんな時間に訪ねてくんじゃねーよ」という意を含んだ京都人風の嫌味なのか判別がつかず、とりあえず「ハハハ・・・いやこちらこそすいません」と返して部屋に戻りました。

 

 

 部屋に戻ってボイラーの電源をつけ、しばらくしてからまたお湯のノズルを捻ってみると・・・やっぱり水が出てきました。それで一瞬オォイ!となったんですが、5分くらい流しっぱなしにしていたところ、少しずつ水が温まって来て、最終的にお湯が出てきました。まあ古い建物って往々にしてそうですよね・・・。

 

 まあそんなわけで、僕はシャワーを浴びて、備え付けの浴衣に着替えました。暖房は結構ガンガンに利かせていたんですが、窓からの隙間風のせいで足が冷たくて、結局浴衣の下にズボンを履くみたいな恰好で過ごしてました。

 

 もう正直この時点で僕の体力はほとんど限界で、可能なら今すぐにでも寝たいくらいだったんですが、そんな思いをどうにか振り切って僕はパソコンに向かいました。スライドの方はあとは得られている結果を貼り付けてレイアウトを整えるだけでよかったのでそんなに時間はかからなかったのですが、英語の発表ゆえに何を話すかをある程度決めておかないと僕はまともにしゃべれないので、そのスクリプトを書くので結構時間がかかってしまいました。

 

 まあそれなりに台本も書きあがったかなというところで時計を見ると、時間はおよそ0時半くらいでした。僕はちょっと気分転換でもするかと思って、少しお腹が空いてきた(この日はラーメン以外何も食べていない)のもあって、近所のコンビニまで行くことにしました。

 

 それでコンビニで何を買ったかというと、

 

 

 なにこれ。限界?人間の。

 

 まあでもお腹も満たせて栄養ドリンクも飲んで、外の空気も浴びれたので気分的には結構よくなりました。それでやる気も湧いてきてもうあとはギャッと。もうギャッて感じですね。もうあとは3,40分くらいでできあがりました。それからはリハーサルというか、台本を読み上げて大体どのくらいの時間になるかとか見て、文章を少し修正して、スライドにアニメーションとかつけたりして、まあそんな感じで、諸々が終わったころには3時過ぎくらいになってました。それで僕はもう電気を消して寝ました。布団に入った時にはなんかワーカーズハイというべきか、なんかテンション高いみたいになってて、「これ寝れなくね・・・?」と一瞬不安がよぎったのですが、実際にはそんなことはなく数分で眠りに落ちました。

 

 

12/12

 

 二日目。そして発表当日です。僕の発表は午後からでしたが、ワークショップは10時半に始まるため、それに間に合うように起きました。大体何時くらいに起きたと思います?答えは10時10分。いや、間に合わないだろーっ!って思った方もいるかもしれません。

 

 

 

 はい、間に合いませんでした。なんか思ったより宿舎と会場の距離遠かった。しかもなんか会場の建物にはカードキーのロックが常にかかってて、最初に入る時には隣の事務棟みたいなところに行ってキーを受け取らなければいけなかったらしくて、そんなこんなで結局会場に入ったのは1人目の発表が終わったくらいでした。

 

 この日にはおよそ15人程度が発表を行う予定になっていたためか、会場にはたくさんの人が座っていました。机の椅子は全部埋まってしまっていたため、教室の最後尾に並べられていたパイプ椅子の1つに座りました。

 

 ところで最初に言ったようにこの研究会は、同じ計算手法を使っている研究者たちの情報交換会みたいなもんで、参加している人たちというのはまあ基本的にポスドクor助教以上、教授クラスもわらわらいるみたいな感じなんですね。寧ろ学生の方が少ないくらいで、学生がコミットすることといったら、僕がそうしているように月1のzoomミーティングで自分の研究の進捗を話して最前線の研究者たちの見世物になることくらいなわけです。

 

 つまり何が言いたいのかというと、このワークショップ、ポスドク以上しかいないんです。博士課程の学生が1人か2人いたかな?くらいで、修士課程はもちろん僕だけです。

 

 いや、ヤバくないすか?アカデミアの世界に明るくない方のためにSMSRTAで例えると、この前初通ししたばかりの新参走者が上級者大会に参加するようなもんですよ。APEXに例えるとシルバー帯がダイヤ~プレマスマッチに放り込まれるようなもんです。そんなバカなと思われるかもしれませんが、この研究という世界において、修士課程の学生というのはそのくらい無力なもんなんです。特に僕なんて、もう12月にもなるのに雑誌論文の一本も書けていない雑魚なわけで、もう、なんか、もう終わってるんですよ。

 

 僕は前の人たちの発表を聞いて、「あ、なんか難しいこと話してる・・・」くらいの感想しか出ませんでした。オレはこの人たちの後に発表するのか・・・と思うと、憂鬱で潰れてしまうくらいでした。

 

 午前のセッションが終わって昼休みになると、パソコンを取りに宿舎に戻りました。僕の発表は午後の1発目だったんですが、昼休みは1時間半くらいあったので、僕はスライドの最終確認と、あとはしゃべる練習をしてました。これは僕の経験則ですが、最初のmotivationをしっかり言えればあとは流れでどうにかなるという謎のアレがあったので、最初の5,6枚のスライドは何も台本とかも見ずに話せるようにしておきました。

 

 そんなこんなで時間は過ぎ、僕はパソコンを持って会場に戻りました。会場にはやっぱりたくさんの人がいましたが、まだ全員は集まっていないという感じで、僕は後ろの方の机に座ることができました。

 

 そして午後のセッションが始まって、座長(なんか海外勢の人)が簡単な挨拶を述べた後、僕の名前が呼ばれました。僕は教卓にパソコンを持っていき、HDMIで接続してプロジェクターにスライドを映しました。正直言ってめちゃめちゃ緊張していましたが、発表は特に滞りなくしゃべることができました。常日頃からあちこちで発表の機会を求めてもないのに与えてくるマブには感謝しかないですね。

 

 発表の内容に関して少し触れておくと、Motivationやformulationの部分は控えめにして、結果の部分を多めに見せる方針にしていました。というのは、先ほど言ったように発表者は博士の学位を標準装備で持ってる人ばかりなので、少しでも見劣りしないようにという意図からです。動物が手足とか羽を広げて体を大きく見せるみたいな感じですね。

 

 でもこの研究会って、上述したように同じ「計算手法」を扱っている人たちの集まりであって、同じ分野の研究をしてる人たちではないんですよね。だから僕とは全然違う分野の人も結構いる、というか寧ろそっちの方が多いくらいで、motivationの部分はあまり伝わらなかったかもしれないです。まあこれに関してはしょうがないんですけどね。参加者の研究分野なんて知る由もないし、そもそもこういう異分野の交流会自体結構珍しいものなので。まあでも発表自体はそれなりにうまくいったと思います。

 

 質問もいくつかあったのですが、そのうちの1つは座長の海外勢の方からでした。内容はざっくり言えば「先行研究と君の研究はどう違うの?」というもので、まあこれは研究発表においては腐るほど聞かれる内容なので、僕は過不足なく答えられたのですが、そしたらその人の反応が、「うん、そうだね!それは大きい違いだよね~」みたいな感じで、それで僕は、「アレ?もしかしてコイツ・・・”””知ってる”””のか?」って。「もしかしてオレを試したのか?」って。なんかそんなことを思ったんですが、まあもちろんその場では聞けませんでしたけど。

 

 これは後から知った話なんですが、この海外勢のおじさんはこの界隈ではめちゃめちゃ権威のある方らしくて、この対面での研究会も何ならこの人が来日するからということで企画されたものらしいです。いやはや・・・。

 

 

 まあそんなこんなでつつがなく発表が終わり、あとは他の人の発表を聞くだけになりました。まあ正直何1つ理解できませんでしたけど。まあそんなもんですよ。

 

 発表が全部終わったのは18時を回る少し前くらいで、もう窓の外は暗くなっていました。解散の前に、この研究会の主催の方が前に立って、「この後食事会を行う予定ですので、参加希望の方は前の紙に名前を書いて、18時半にここに集合してください」ということを言いました。

 

 それで僕はどうしたかというと・・・帰りました。僕を陰キャと笑いたいなら笑ってくださいよ。少なくとも僕は、こんな教授クラスの中高年たちが集まった食事会という名の飲み会には頼まれても参加したくないですね。

 

 まあそんなわけで帰ろうとしたんですが、その時後ろから、「ねえ君!アルルくんだよね?」と女性から声を掛けられました。

 

 僕はこの人を知っていました。まあ今度も出てくるので仮にAさんとでもしておきますか?この人は博士課程の学生で、例のzoomでの定例会議に時々現れては、僕よろしく研究の進捗を英語で発表させられている見世物の一人です。彼女が僕を知っていたのも、この発表を通してなんだと思います、思いますっていうかそう言ってた。

 

 ただその何度かの発表からだけでも分かるくらい、彼女はめちゃめちゃ明るい性格の人で、まあ正直この人はそのzoomの発表も見世物だなんて思ってないんだろうな。僕は思ってますけど・・・まあ要は僕とは割と正反対の性格ということです。

 

 まあそういうのと、単純に疲れていたのもあって、僕は「ア、ドモ・・・」みたいな感じで陰キャ感マシマシの挨拶をしたんですが、なんか向こうはやけにテンションが高くて、「発表お疲れ~」みたいな感じで。

 

 「いつもzoomで発表する時、M1なのにすごい研究進んでるし、英語もめっちゃ喋れててすごいな~って思ってて、ずっと話しかけようと思ってたんだよね~!」みたいなことを言われました。それで僕は、「ハハ・・・いや全然すよ・・・ハハハ・・・」みたいな。疲れているところに明らかな”””陽”””のオーラに中てられて、もうタジタジって感じです。陰キャタジタジ。

 

 それで建物を出ようとしたときに、「食事会来ないの~?」と声を掛けられたんですが、僕は「イヤ、マア・・・ハハハ・・・」って感じで。まあそんな感じで別れました。建物を出ると、日が沈んですっかり明るさを失った空と冷たく味気ない風が僕を包み込んでくれました。やっぱり僕には”””陰”””が似合う・・・。

 

 それでその後僕がどこに向かったかというと、夜ご飯を食べに行きました。どこに行ったかというと、京都大学から2kmほど歩いた先にある「グリル小宝」というお店です。なんかオムライスが有名なお店らしくて、洋食百名店?みたいなのにも選ばれてる、なんかちゃんと有名なお店みたいです。

 

 店は一見普通のオシャレな洋食屋さんといった感じで、入るとテーブル席に案内されました。メニューの一番上はオムライスだったんですが、サイズが小中大とあって、小が700円、中が1100円、そして大が1650円でした。

 

 それで僕は「サイズだけでそんな変わる?」って思って、店員さんを呼んで「このオムライスの大ってどのくらい大なんですか?」と聞くと、その人は「どのくらい・・・まあ重さで言うと1.2kgくらいですね」と答えました。

 

 いや、1.2kg!?!?!?って思って。大体こういうオシャレなお店なんて最大盛りでその辺の店の並くらいだろ(偏見)と思ってたので、まあすごいビックリしましたね。その後に付け加えて、「中だと700gくらいですね」みたいなことを言ってきて、いやそれでも多いな!とは思ったんですけど、この日も朝昼ともに食べてなくてめちゃめちゃお腹が空いてたので、僕はオムライスの中と、それからコーヒーを頼みました。

 

 

 結論から言います。このオムライス、””””ガチで””””美味いです。正直出張中に食べたご飯はブログにするからってんであまりツイートはしないようにしてたんですけど、こればかりはあまりに美味しすぎて、この感動をいち早く伝えたくて、思わずツイートしてしまいました。

 

 具はグリーンピースと玉ねぎと人参、あとは珍しく鶏肉じゃなくて牛肉を使ってました。もうそれチキンライスじゃないだろって感じですけど。それとご飯がやたらパラパラで、これがめちゃめちゃ美味しかったです。どうやって炒めたらこうなるんだろうな~教えてくれ~って感じです。デミグラスソースはご飯の量から言ったらちょっと少ないくらいなんですけど、それでもご飯だけでも全然食が進みました。もう一回言うけど””””ガチで””””美味かったです。正直人生で食べた中で一番美味い。これを凌ぐ店があったら是非教えていただきたいものですね。

 

 食べ始めた時はめちゃめちゃお腹が減っていたんですが、700gの巨大オムライスを食べ終わる頃には割と満腹に近い状態になっていました。食べ終わった後、僕は食後のコーヒーを優雅に堪能しつつスマホをダラダラいじっていたのですが、ふと外の方を見ると、夕飯時に差し掛かったためか入り口のところに既に7,8人の列ができていて、1人でテーブル席を占拠しているのがあまりにもいたたまれなくなって店を出ました。

 

 お店を出て、また2kmほどの道のりを歩いて、宿舎に戻ってきた僕は、またぞろ5分くらい水をだしっぱにして水をお湯にして、シャワーを浴びました。それから僕は、昨日と今日の洗濯物を袋に入れて、1階の洗濯機と乾燥機のある部屋に向かいました。この部屋は食堂の向かいにあって、食堂にはテーブルとソファがあり、自由に使えるティーバッグや紙コップ、ポット、電子レンジなどが置いてありました。

 

 僕はせっかく使えるなら使ってみようかなと思って、洗濯機に服を放り込んでボタンを押した後、その食堂に入って、紙コップにティーバッグを入れてお茶を淹れました。それでテーブルの椅子に座ってお茶を飲んでいたのですが、そしたら、もう70かそこらはいってそうなお爺さんが荷物を持って食堂に入ってきました。その人は隣のテーブルの席に座って、水筒に入れた飲み物を飲みながら一息ついていました。

 

 沈黙。しばらくの間気まずい空気が流れていました。いや、気まずく感じていたのは僕だけかもしれませんけど。そんな沈黙がしばらく続いたあと、そのお爺さんは「君はどこから来たの?」みたいなことを聞いてきました。

 

 それで僕は自分が東京の学生であることとか、これこれこういう研究会があって~みたいな感じの話を一通りしました。でもその人は「なるほどね」みたいな、あんまり興味示してないみたいな感じで、その後すぐに「じゃあ私は部屋に戻ります」と言って出て行ってしまいました。

 

 なんか不思議なお爺さんだなあと思いました。あのご老体にこの独房みたいな部屋が耐えられるんだろうかとか、というかそもそもどういう用事でここに泊まってるんだろうとか、そういうことを考えました。でもそのうちに、洗濯機のゴウンゴウン動く音の止まるのが分かって、僕は洗濯機の方に戻って、服を全部出して、洗濯機の真上にある乾燥機にそれを入れて、設定は標準のままスイッチを押しました。何分かかるのか表示からは分からなくて、ちょうど食堂のお茶にも飽きてきたところだったので、僕はそのまま部屋に戻ることにしました。

 

 部屋に戻った僕がどうしたかというと、ぬるゲ(ぬるっとゲーミング)の人たちと通話してました。まあ名前を出すとてめるんとアイスくんですね。てめるんとは、なんか1月に旅行に一緒に旅行に行こうみたいな話をしてました。この日以降もチャットでダラダラ話して、今のところ浜松に行こうみたいな感じで行き先は大体決まったんですが、そこから先は何も進んでおりません。多分このままウヤムヤのままお流れになると思います・・・まあ社会不適合者どうしで予定を組むなんて土台ムリってことですよね、言ってしまえば。

 

 あとこの時に、てめるんになんかヘアオイルについての話をしました。ヘアオイルというのは、まあ簡単に言えば商品名の通り「洗い流さないトリートメント」で、お風呂上りとかにつけとくと気持ち髪サラっとなるよみたいな、まあそういうやつです。それでなんかいくつかオススメを上げといたんですけど、そしたら

 

 なんかめちゃめちゃハマってくれました。ていうかハマりすぎて草って感じですけど。まあよかったです。自分が勧めたものを喜んでくれるというのはまあ悪い気分ではないですね。

 

 まあそんな感じで、通話しているうちにもう日付が変わっていて、僕らは通話を終えました。で、僕もさっさと寝るか~みたいな感じになってたんですが、ここで乾燥機に服を入れっぱなしのまま放置していたのを思い出して、急いで1階に戻って服を回収して部屋に戻りました。なんかいくつか微妙に乾いてないのがあったんで、暖房の真下とかに置いて乾かしてみたいな。

 

 1日目にいかにも独房みたいな雰囲気を醸し出していた殺風景な部屋は、2日目の夜にして

 

 

 なんかめちゃめちゃ生活感溢れる感じになりました。これが匠ってことですね、知らんけど。

 

 

12/13

 

 3日目。朝起きたらめちゃめちゃ体がだるかったです。暖房のタイマーをセットしておくのを忘れてつけっぱで寝たせいか?とりあえずバファリンプレミアムを飲みました。バファリンがなかったら多分僕は20くらいでストレス過多で死んでいると思います。

 

 この日はちょっと早めに起きました。というのは、宿舎の人のところに行って、シーツをいつ替えてもらえるのか聞こうと思っていたからです。なんか事前の情報だと部屋の清掃はないということになっていて、実際この二日間で清掃の手が入る兆しは見られなかったのですが、さすがに6日間シーツも浴衣も同じなんてことは衛生上あり得ないだろ・・・?と思い、それについて尋ねようと思っていました。

 

 受付のドアを叩くと、出てきたのは先日のギャルっぽい女性ではなく、普通のお婆さんでした。いや普通のって言い方は良くないか?まあなんというか、民宿とかにいそうな感じの、なんかそういうステレオタイプなおばあさんですね。

 

 でその人に「清掃とかっていつ入るんですか?」みたいなことを聞いたんですが、そしたらその人が言うには、「清掃は大体1週間に1回入れることになってるんですけど、アルルさんは6日間だから清掃は入らないんです」と仰って、それで僕はビックリしちゃって「え、じゃあ6日間シーツも浴衣もそのままってことですか?」と聞いたんですけど、そしたら、

 

 「もしよければ、今シーツとかをお渡しして、自分で替えていただくということはできますけど、どないしますか?」と聞いてきて、それで僕は、自分から言い出した手前その申し出を謝絶するのもどうかと思って、「あ、じゃあお願いします」と言いました。

 

 それから僕はそのお婆さんに倉庫みたいなところに案内されて、替えのシーツを受け取りました。ホントは浴衣も新しいのが欲しかったけどもらえなかった・・・まあ別にいいんですけど。

 

 シーツを受け取った後、彼女は僕に、「ごめんなぁ~、シーツとかも毎日替えたいやんな」と言ってきました。僕はこれが字義通りの謝罪なのか、それとも京都人風の嫌味なのか判別できなかったため、「ハハハ・・・いやまあ・・・」と曖昧な返事で答えました。僕は自室に戻ってシーツを替えて、古いシーツを1階にあるカゴみたいなところに入れてから、荷物をまとめて大学に向かいました。

 

 この日からはワークショップでなく、1時間半のレクチャーが午前午後で1回ずつ行われる形式になります。まあ正直物理のことをずっと話してるだけなので特にブログで書くようなことは特にないと思います。上で書いた通りかなりインフォーマルな研究会なので、登壇者が話している途中でもガンガン質問が飛んできます。そしてその質問の内容について聴衆どうしで登壇者そっちのけに議論がおっぱじまったりします。この議論はもちろん英語で行われます。いや、ヤバすぎだろ・・・。

 

 僕も僕で、できる限りたくさん知識を吸収しようと思ってiPadにセコセコメモを取ったりしていたんですが、正直言って基礎的な部分の知識が足りなさ過ぎて割とどうしようもない感じでしたね。まあ研究会を通してみるといくつか面白い内容はあったんですが・・・まあでも理解からは程遠い感情って感じです、これは。

 

 それで、午前のセッションが終わって、僕はどこか昼飯でも行こうと思って会場の外に出たんですが、そこで「あ、アルルくん」と声を掛けられました。

 

 その方を見ると、二人の男性がこちらを見ていました。そのうち一方は存じ上げませんでしたが、もう一方は知っている方でした。まあこれは仮にSさんとしておきますか。どうして僕がこのSさんのことを知っていたかというと、例の月1のzoomミーティングで僕が発表している時に、何度か質問をしてくれたことがあったからです。その質問も、一般論の話だけじゃなくて、なんかすごい深掘りしたところまで聞いてくるなぁという印象があって、僕はこの人の顔と名前を憶えていたのでした。

 

 まあそれで僕は「ア、ドモ・・・」みたいな感じになって、なんかそれで何ともなしに歩きながら雑談が始まりました。「研究会はどう?」みたいなね。それで僕は「ア、イヤ、ちょっと難しいかな~みたいな、ハハハ・・・」って感じです。

 

 それから、「アルルくんも昨日の食事会来ればよかったのに~」みたいなことを言われました。それで僕は「ア、イヤ、教授クラスがたくさんいる中に僕が行くのはちょっと恐れ多いかな~みたいな・・・ハハハ・・・」みたいな感じだったんですが、そしたらSさんじゃない方が、「そんなこと気にしなくていいですよw」みたいに笑った後「ホントに恐れ多い食事会というのはそもそも我々の耳には入りませんから」と付け加えてきて、それで僕は、「ハハハ・・・」みたいな。

 

 あと、そのSさんではない方から、「アルルさんの話し方は、発表の時も普段のしゃべり方も、○○さん(マブ)にすごい似ていますね」みたいなことを言ってきました。それから「飽くまで個人の意見ですが」と補足したんですが、それにSさんが「いや、割とみんな言ってたでしょw」みたいなツッコミを入れて、なんか、こう・・・まあ、「ハハハ・・・」って感じですよね。

 

 まあ正直これは分からなくもない、というか僕も自覚してるところで、僕って頻繁に話す人の口グセとかしゃべり方とかがすごいうつるきらいがあるんですよね。だから別に意識して寄せてるわけではないんですけど、発表とかに関してよく接するマブのしゃべり方が反映されるというのはまあ多少なりとも感じているところはあって、それを面と向かって指摘されたのはちょっと恥ずかしかったですね、正直言って。

 

 道の途中でその二人と別れた後、僕は昼飯を食べに行きました。どこに行ったかというと、「おむらはうす」というオムライスのお店に行きました。いや、またオムライスかい!って感じですけど、え、悪いですか?別に、普通にオムライスは好きですけど、なんか文句あるんすか?

 

 このお店は先に出てきたてめるんからオススメしてもらったお店で、京大から15分くらい歩いたところにあるってんで、前々から行こうと決めていました。僕がお店に着いた頃にはまだ12時半前くらいでお昼時には少し早いくらいだったので、店内は割と空いていました。店に入るとカウンターの一番端の席に案内されました。

 

 メニューは色々あったのですが、結局僕は定番らしい「ハヤシオムライス」を頼みました。まあその名の通りの料理ですね。ちなみに僕は23年ほど生きていますが、ハヤシライスとビーフシチューの違いが未だにイマイチ分かっておりません。

 

 

 とろけるチーズが入ってて美味しいですね。ライスの中には珍しくキノコが入っていていい触感の変化になっていたと思います。

 

 ただな~、正直なことを言うと、願わくば、昨日の小宝の前に行きたかったですねこれは。いや、こうやってあからさまに優劣をつけるようなことはホントは言いたくないんですけど、でもな~正直小宝がもうホントに、衝撃レベルで美味しかったんで、だからなんか、なんかな~って感じでした。

 

 例えるなら、富士急でええじゃないかに乗った後に高飛車乗った時みたいな感じです。いや、確かに怖いんだけど、でも所詮は普通のジェットコースターだな~みたいな、ええじゃないかは次元が違うヤバさだったからな~みたいな。分かる?僕は分かりません。ていうか富士急行きて~。

 

 まあそんな感じです。間違いなく美味しくはあったんですけど、でもまあ「オムライス」だなという感じです。いや、あんまこういう言い方は良くないな。美味しかったです。これはホントにね。美味しかったですよ、これは間違いない。

 

 まあそれでオムライスを食べ終わって、宿舎に戻って歯とか磨いて、会場に戻って午後のセッションに参加しました。またiPadでよく分からないままメモを取っていたら1時間半が終わって、16時頃にこの日のセッションは終了しました。

 

 宿舎に戻ってdiscordでダル絡みして少し時間を潰した後、僕は夕飯を食べに行きました。どこに行ったかというと、天下一品の本店に行きました。これは僕も初めて知ったんですが、天一の本店って京都にあるらしいです。みんな知ってた?

 

 正直僕は天下一品に入ったこと自体数えるほどしかなかったので、正直どれが定番メニューなのかもあんまり分かってなかったんですが、とりあえず一番上にあった本店限定のメニューみたいなものを頼みました。

 

 

 

 「豚重餃子定食」です。しかも100円プラスしてこってりスープを増量してもらいました。こってりしすぎてもうスープが半固形状になっていて、麺を絡めようと思って混ぜても粘性抵抗がヤバすぎてスープも一緒に動いちゃって全然混ざんねえみたいな、そんな感じでした。

 

 スープ自体はそこまで味が濃いわけではなかったんですが、卓上調味料に「ラーメンスープ」というものがあって、これを足すことで味を加えることができました。あとはなんか、何て言うんですか?あの赤い半固形状の辛いやつ。豆板醤?分かりませんけど。

 

 まあそんな感じですね。この死ぬほど体に悪そうな感じがたまらんって感じでした。美味しかったです。

 

 ただちょっと、見ての通り量が多くて、結構満腹になっちゃったので、店を出た後僕は時間潰しがてら少しその辺を散歩していくことにしました。結局どこまで行ったかというと、銀閣寺の方まで歩きました。多分2~3kmくらい?まあ大分歩きましたね。

 

 銀閣寺はもちろん夜なので閉まっていたんですが、せっかくこの辺まで来たので、銀閣の脇に伸びている「哲学の道」を歩いていくことにしました。なんですが、

 

 

 

 夜なので真っ暗でした・・・。普通に明かり全然ないし、普通に人全然いないし、かと思ったら急に人とすれ違ったりするし、なんか普通に怖かったです。

 

 この日は宿舎に帰ったらもうお風呂に入ってすぐに寝ました。通話する流れに一瞬なったんですが、皆眠かったので今日は休もうということになりました。

 

 

12/14

 

 4日目。水曜日。

 

 この日もレクチャーはあったのですが、なぜかこの日だけ午前のセッションしかありませんでした。なので午後いっぱいを自由に使えるということで、僕はこの日を観光に充てようと決めていました。

 

 この日のセッション、内容自体は割と興味深いものではあったんですけど、僕の理解力が足りなさ過ぎてあまり身にはなりませんでした・・・。ちょくちょく関連しそうな論文を読んでるんですけど、なんか肝心な僕の知りたい部分が書いてないのばっかりで今現在難航しています。

 

 会場を出て建物を出ようとすると、階段のところに男性が待ち構えていて、僕を見かけるや「あ、アルルくん」と言ってきました。昨日のSさんです。僕は知らないうちに自分が何かやらかしたんではないかと思い、「エ、ナンスカ・・・?」とタジタジ気味に返事をしたんですが、すると、「この前のアルルくんの発表のスライドを見てたんだけど、ちょっと議論したいことがあるから明日時間取れないかな?」と言ってきました。

 

 まあ要は”””決闘(デュエル)”””の申し出ですね。これはなんか一見するとウゲッって感じになりそうなもんですが、ただ相手の方から「議論したい」と言ってくるというのは、まあ少なくとも僕の研究とその内容に興味を持ってもらえているということなので、僕の中ではこれはあまり悪い気分ではありませんでした。寧ろ望むところだみたいな感じですね。その決闘受けて立とうみたいな。

 

 まあそんなわけで、次の日の昼休みに少し時間を取って議論をすることになり、僕はその場でSさんと別れて建物を出ました。

 

 建物を出た後、僕はまあとりあえず昼食をとることにしました。そこで、行く前に調べていて目をつけていた「ジェイムスキッチン」という、ハンバーグを出すお店に行くことにしました。京大のすぐ近くにあって、学生向けの食事処にありがちなご飯お替わり自由みたいな感じのお店です。

 

 建物の1階はテイクアウト専用のフロアになっていて、店内は2階のみになっていました。中に入ると食券機の方に案内されて、僕はそこで食券を取りました。とりあえず1000円札を2枚入れたんですが、ハンバーグLサイズが930円、チーズのトッピングが80円だったばかりに、990円分の小銭が返ってくる事態になってしまいました。トホホ・・・。

 

 食前のサラダみたいなのをモサモサ食べながらスマホをいじって、サラダを食べ終わって、なんか遅くね?と思った頃に注文の品が到着しました。

 

 

 ご飯は大盛にしてもらいましたが、これももちろん無料のサービスです。ちなみに僕の隣のお客さんは特盛を頼んでいて、これのさらに倍くらいの量が盛られていました。いや、ヤバすぎだろ・・・。

 

 味の方はというと、まあ普通に美味しいハンバーグって感じですね。これは全然悪意はなくて、いい意味で普通みたいな。いい意味で普通?まあそんな感じです。知らんけど。

 

 この時京都は気持ちいい冬晴れだったのですが、ぬるゲのチャットで聞いた情報によると長野の方では吹雪いていたらしいです。ヤバすぎだろ・・・。

 

 ハンバーグを食べ終えてお腹もいい感じに膨れた僕は、その足で銀閣寺の方に行きました。どうして銀閣寺をわざわざ選んだのかというと、まあ近場で行けるのがこれくらいしかなかったからですね、ハイ。あとはまあシンプルに行ったことなかったんで。

 

 

 入場券のついでに御札がもらえる仕様らしいです。入場料は500円だったかな?まあ普通ですね。

 

 

 

 中は銀閣「寺」といえど普通に庭園がメインみたいな感じで、まあ僕の旅行での行き先から何となく察せられるとは思いますが、僕はこういう自然豊かな場所が結構好きなので、割と楽しめたというか、まあ心穏やかに見て回ることができましたね。

 

 

 順路を進んでいくと道は山の方に差し掛かって、そこから京都の街を一望することができました。こういう上から街を見下ろす展望みたいなスポット、正直めちゃめちゃ好きです。

 

 一通り写真を撮り終わって道を下ろうとしたら、ちょうど僕の前で海外勢のカップルが二人で写真を撮ろうとしていたところでした。彼らは僕が横切ろうとしていたのに気づくや快く道を譲ってくれたのですが、僕はここで「I’m sorry.」と言って通り過ぎました。ここはどう考えても「Excuse me」を言う場面だろと、そのことを今でも後悔しています。でも「すいません」を言おうとしたら自動的にアイムソーリーが出ちゃうのよ〜。

 

 まあそんな感じですね。僕のイメージの中で京都の観光地なんてのは、大体よく分からん中○人観光客とアベックどもでごった返して風情も文化もクソもないような場所ばっかりなんだと思ってましたが、この銀閣は、まあ人はそれなりにいましたけどどこか落ち着いた雰囲気を保っていて、京都の中では結構好きな場所だったと思います。

 

 ・・・アレ?と思った方が、もしかしたらいるかもしれません。というのは、

 

 寺の写真なくね?ってことです。ここ銀閣寺じゃないの?肝心の寺の写真は?と、そう思った方がいるかもしれません。

 

 まあ白状いたしますと、完全にわすれてました。一応言い訳をさせていただくと、今しがた言ったように寺というより庭園という側面をすごく強く感じて、なんかそれでその、忘れてたというか何というか・・・庭園のオマケみたいなもんだと思ってたというか・・・まあそんな感じです。

 

 ちなみに写真を撮り忘れたことに気がついたのは、家族に京都での写真を見せててそのことについて指摘を受けた時です。いや、ヤバすぎだろ・・・。

 

 銀閣寺を出たのが大体昼の3時頃だったかな?僕はそのまま宿舎に戻りました。正直もうちょい外を回ってもよかったんですが、次の日に「決闘」の予定が控えていて、なんか聞かれたときにいつでもデータを出せるようにしておこうと思って、保存しておきました。

 

 その作業はまあそんなに時間かからずに終わって、その後はこの日と前の日に受けたレクチャーの内容に関して論文とかを探して読んでました。ただ、まあ宿舎だからと言われたらしょうがないんですけど、でも一応京大の持ってる施設なんだからここの回線で論文の閲覧くらいはできてもよくないですか?いや、まあいいんですけど・・・VPN繋げば普通に見れるので・・・。

 

 まあ論文読んでたとか言うと聞こえはいいというか、なんか優等生っぽいですけど。実際には論文パッと開いてformulationのところ見て、「……?」ってなって、でもなんか後々理解できる可能性はゼロではないからダウンロードはしておくみたいな、まあそんな感じですね。

 

 そんな作業を続けているうちに午後5時か6時とかその辺になって、僕はお風呂に入りました。ホント言うと後述するようにこの後外に出る予定だったので今入る意味はあんまりないんですけど、なんか別に特にやることなかったので入りました。

 

 その後はなんかmuse dashというよくわからん音ゲーをやっているうちに9時前くらいになって、それから僕は上着を羽織って外に出ました。どうしてかというと、この日12/14はふたご座流星群が極大を迎える日で、最大で1時間50個くらい見えるらしかったので、それならこの辺からでも、そして視力クソザコの僕でも見れるかなって思ったんですよね。

 

 それで、僕は宿舎から5分くらい歩いたところにある「上終(かみはて)公園」という小さい公園みたいなところに行って、星を見に行くことにしました。ホントはもっと北の方まで行けば山の方にさしかかって、「宝ヶ池公園」とか、そういう自然豊かな公園もあったりするんですけど、まあ普通に歩いて1時間は余裕でかかるんで。さすがにそれはなあ・・・って。バスとか乗るのもちょっと夜遅いしなぁ・・・みたいな。でもなんか今思うと、普通に興味として宝ヶ池公園には寄っておきたかったなという気もします。まあでもこの出張通して昼の時間は基本自由に使えなかったのでしょうがないかなあとか、思ったり、思わなかったり・・・。

 

 まあそれで、上終公園に行きました。この公園は住宅街のただ中にあるんですが、夜ということでもう人通りはほとんどなくて、家の明かりと、それなりの間隔で置かれた街灯の明かり以外には何も存在を主張するものがないみたいな感じでした。そんな中、成人男性が一人、公園のど真ん中でボーっと空をずっと見上げているという・・・。正直通報とかされないかビクビクしてました。

 

 それでずっと空を見てたんですけど・・・うーん、なんかあんま見えなかった。というか、この時確か夜の9時くらいだったんですけど、この時はまだふたご座(オリオン座のすぐそばにある)は東の空から上ってきたばかりで、街灯の明かりに近いところにいて、いや、そのせいなのかどうかは分からないんですけど・・・単に僕の目が悪くて見えなかった可能性はありますけど・・・まあでもとにかく見えなかったです。

 

 それで、30~40分くらい空を見てたんですけど見えなくて、しかもそのあたりから雲が出始めてきて、それで僕は、やっぱりオレには”””視え”””ないのか・・・ってなって、トボトボと宿舎に歩いて戻りました。

 

 それで戻ったのが大体10時前くらいで、僕は失意のまま、脱いだ服をまとめて1階に向かいました。洗濯するためです。

 

 またぞろ洗濯機に服をまとめて入れて、この前と同じように食堂に入って、紙コップにティーバッグとお湯を入れ、お茶をダラダラ飲みながらダラダラスマホをいじってました。そのうちに、食堂に男性が一人入ってきました。

 

 この前のお爺さんです。僕はこの時先日と同じテーブルの席に座っていたのですが、このお爺さんもまたこの前と同じ席に座って、僕に声を掛けました。僕も挨拶を返しました。

 

 「久しぶりに日本に帰ってきたから、これでも飲もうかと思ったんだけどねぇ、ご時世が厳しいね」とその人は言って、カバンから「月桂冠」という銘柄のお酒を取り出しました。僕は「帰国」という言葉が少し気になりましたが、「ここなら誰もいないので大丈夫ですよw」と言いました。そしたらお爺さんは「まあそれもそうだ」と言って、そのお酒を開封して、持ち前のコップに注いでちびちびと飲み始めました。

 

 それから僕らは色々な話をしました。そのお爺さんは、自分の身の上話みたいなのを色々としてくれました。それでわかったのは、

 

・この前まで海外にいたこと

・大学で数学科に所属していたこと(確か東大?とか言ってた)

・おそらくアカデミアにいた?教え子が云々かんぬんという話をしていた

 

 ということです。名前は結局聞けずじまいだったし、今どういう仕事をしているのか、何の用事で京都に来たのか、どういう理由でこの宿舎に泊まっているのか・・・色々聞きたいことはあったんですけど、なんか聞いちゃいけないような雰囲気を俄かに感じて聞けませんでした。

 

 九州大学を訪問している時、ちょうどかの有名な米軍航空機ファントムの墜落事故(知らない方は「九州大学電算センターファントム墜落事故」でググってください)があって、たまたまその施設の近くで作業をしていた彼の友人が間一髪で助かった話とか、なんかそういう、当時の生々しい記憶というか、もはや歴史になってしまった話みたいなのを直に聞けたのは、まあこういう言い方はどうかとも思わなくもないんですが、いい経験になったと思います。

 

 そんな話をしているうちに、洗濯機が終了の音を告げて、僕はこの前と同じように洗濯機から取り出した服をそのまま乾燥機にぶち込んで、また標準設定で開始ボタンを押しました。

 

 それから食堂に戻って紙コップとかを捨てて、僕は「じゃあ僕は部屋に戻ります」と言ってお爺さんに別れを告げました。彼は右手を少し上げるような動作でそれに応じました。

 

 それで、僕は部屋に戻ってパソコンの前に座り、ダラダラTwitterとかを見ていたんですが、そしたらタイムラインのおすすめのところに、「めちゃめちゃ流星群見えてる!」みたいなツイートが流れてきて、それでえっと思って検索してみたら、なんか皆「めっちゃ見える!」「すごいキレイ!」みたいなことを言ってて、もしかして”””今”””なのか?と思い、僕は急いでコートを取って部屋を飛び出しました。

 

 それでまたぞろ上終公園に来て、それでまたぞろ一人で空を見上げる不審者のフリをし始めました。この時にはふたご座はちょうど南中するあたりで、それが天球のちょうど真上にあったので、首をずっと90度に曲げていなければいけなくて結構姿勢的にきつかったです。

 

 それでまた30分くらい見てたんですけど、それでもやっぱり見えなくて、「やっぱりオレには・・・」ってなって、「あと10分頑張って見えなかったら諦めよう・・・」と思って、そしたらそう思った瞬間、夜空に瞬く一条の光が見えて、それで僕は、

 

 

 

 

 

 興奮のあまりツイートしちゃうあたり、かわいいですよね、僕って。ちなみに寒すぎて指動かなくてこのツイート打つのめちゃめちゃ大変でした。

 

 それで、その後0時過ぎくらいまで星を見上げてたんですけど、結局6個?くらい見えましたね。どれも結構ハッキリ見えたもので、もっと視力が良かったり環境が良ければもっと見えたと思います。でもとにかく流星群が見えて僕は満足して、それで僕は公園を後にすることにしました。

 

 ちなみになんですけど、GalaxyS21には「夜景モード」という、まあ言わば集光カメラみたいなのがあって、それで取ると星がたくさん見えたので、これを皆さんに共有しておきます。

 

 

 

 上が通常カメラの写真、下が集光カメラの写真ですね。正直下は僕が肉眼で見るより映ってますね。ちなむと、

 

 

 これが冬の大三角ですね。これには見つけ方があって、オリオン座の左上にある赤く光る星がベテルギウスで、さらにオリオン座の真ん中にある三連星から左に引いた半直線上にある一等明るい星が、全天で最も明るいシリウスベテルギウスシリウスを一辺とする正三角形を書いて、その頂点にあるのがプロキオンですね。まあこのくらいは覚えておくといいと思います。女の子とデート行った時にこういう知識があるとモテますよ?え、僕?え、いや、僕は・・・あの・・・。

 

 まあそんな感じで星を見て満足して、それから僕はその足で15分ほど歩いたところにある吉野家に行きました。

 

 

 まあ普通ですね。松屋との違いは20円高いところと味噌汁がないところですが、かといって牛丼の味が上なのかと言うと、まあ正直別にそんなことはないですね。っていうか別に牛丼チェーンにそこまで味を求めているわけではない・・・。それなら明らかにインスタントっぽい薄い味噌汁でもつけてくれて20円安い松屋でいいかな・・・って感じです。知らんけど。

 

 まあそれで吉野家に行って、1時前くらいになって宿舎に戻りました。山の方に近いのも相まって気温はめちゃめちゃ低くて、部屋に帰る頃にはもう手足の感覚がないどころか感覚が残ってる部位の方が少ないくらいでした。

 

 それから僕は、入れたまま放置していた乾燥機から服を回収しに向かいました。なんか知らんけど今回はめちゃめちゃうまく乾燥できてて、なんかすげーフワっとした仕上がりになってました。それから僕はシャワーを浴びました。僕って今髪がめちゃめちゃ長くて、濡らすとマジで乾かしたりとかめんどいことになるので、首から下だけ洗いました。

 

 それでシャワーを浴びて浴衣に着替えて、この日はもう寝ました。銀閣にも行って流星群も見れて、結構満足感のある1日でしたね、この日は。

 

 

12/15

 

 5日目。木曜日。研究会は次の週の火曜日まであるのですが、僕は次の日の午前中には帰る予定だったので、実質的にこの日がセッションに参加する最後の日となります。

 

 この日はこれまでどおり午前、午後とセッションがあり、さらにその後にはフリーディスカッションみたいな?まあ議論だけするセッションみたいなのがあって、大体18時くらいまで拘束されることになっていました。

 

 午前のセッションが終わって昼休みに入ると、僕はSさんのところにいきました。Sさんは会場の1個下のフロアにあるリフレッシュルームみたいなところに僕を案内して、そこで議論をすることにしました。

 

 まあ議論の内容は専門に関連することなので話すとちょっとアレ・・・っていうか、話して理解できる人は恐らくいないと思います。物理の中でもさらにマイナージャンルの、さらにあまりやられないことを研究してるので、例えば僕のフォロワーに物理学者が100人くらいいたとして、僕の言っていることをそのまま理解できる人間は1人か2人いればいい方だと思います。

 

 まあそんな感じで議論が終わって、Sさんが「この後ご飯どこ行くか決まってます?」と聞いてきて、僕は正直議論が長引いたら抜いてもいいかなと思ってたくらいだったので決まってないと答えたのですが、そしたらSさんの誘いで京大の学食に行くことになりました。

 

 Sさんは「他に誰か一緒に行く人いないかな」みたいな感じで、会場の教室の方に戻って中を見渡すと、Aさん、先日の博士課程の女子学生の方だけが教室に戻って作業みたいなのをしてました。Aさんは僕らに気づくと「あ、アルルくん!Sさんも」みたいな感じで挨拶してくれて、Sさんは「これから学食に行くんですけど一緒に行きませんか?」みたいに言って、それで僕らは3人で学食に行くことになりました。

 

 学食は結構混んでいて、席もちょうどその時空いたテーブルにタイミングよく座れたみたいな感じでした。システムがよく分からず、とりあえずSさんの後ろについていったら、なんかまぜそばみたいなのをもらいました。確か400円くらいだったかな?まあ悪くない値段だと思います。

 

 まぜそばをズルズルすすりながら僕らは3人で話していたのですが、コロナ対策のために4人掛けのテーブル席の上にはクッソ分厚い十字型のアクリル板が置かれていて、声がめちゃめちゃこもって聞こえるので、正直めちゃくちゃ話しづらかったですね。まあ食事中に会話をするなという方針であれば別に間違いではないというかあるべき姿なのですが・・・。

 

 Aさんはしきりに、僕がM1で研究をここまで進められていて、研究会で発表できるまでになっていること、英語で困難なく発表ができていることを褒めてくれました。でも正直なことを言うと、まあ確かに僕の研究は一般的なM1と比べたら進んでいる方ではありますけど、でもこれは僕が優秀だからでは決してなく、ひとえに卒研から引き続いて同じ研究を続けているという時間的なアドバンテージと、マブのクッソ手厚い保護と鞭撻の被るところが全てであって、その基準に照らせば僕の研究の進捗具合はごく平凡、どころか寧ろ遅いくらいなのですが、でもそんなことをわざわざ野暮ったくここで言う必要もないと思ったので、僕は「ハハハ・・・ありがとうございます」みたいな、まあそんな感じで、甘んじて先輩のお褒めに与りました。

 

 食堂で食事を終えた僕らはまた会場のある建物に戻り、それからさっきのリフレッシュルームに戻りました。リフレッシュルームにはカプセルを入れてボタンを押したらエスプレッソを淹れてくれるマシンみたいなのがあって、1杯飲むにあたり隣に置いてあるカゴに50円を入れるきまりになっていました。Aさんは「先輩だから」と言ってカゴに100円玉を入れて僕にエスプレッソを奢ってくれました。

 

 それで、Aさんはその場にいた他の研究者の人たちに話しかけたりして、僕はというと一人で席に座って泥水の味がするエスプレッソをすすっていました。そしたら僕に声をかける人がいました。まあこれを仮にMさんとしておきます。Mさんは直接話したことはないのですが、僕はMさんの書いた論文をいくつか読んだことがあって名前は知っていて、Mさんもなぜか僕のことをご存じでした。

 

 それで僕とMさんは軽く挨拶をして、なんか普通に雑談みたいなのをしてました。「オフラインだと、こうやっていろんな人と話ができるからいいね」ということをMさんは言っていました。オンラインは確かに便利だけども、話そうと思ったらその部屋全体に発信することになるから、気軽に誰かに話しかけたりすることはできないし、何気なく誰かと話をするというのもできない。研究者どうしの交流を広げるには、やっぱり対面の研究会というのも必要だと思うということを彼は言っていました。僕は確かになるほどそうだと思って、「ハハハ、ソウッスネ・・・」と答えました。

 

 そんな話をしているうちに昼休みも終わる時間が近づいてきて、リフレッシュルームにいた人たちも一人また一人と上に戻っていきました。僕もエスプレッソを飲み終えて紙コップをゴミ箱に捨てると、そのまま外に出て階段を上って会場へと入りました。

 

 午後のセッション(難しすぎて何も分からなかった)が終わり、フリーディスカッション(議論のレベルが高すぎて何も分からなかった)も終わり、解散が告げられたのは18時過ぎでした。僕は理解の範疇を超えた話を延々とされてもう脳が疲れ切っていて、夕飯の前にとりあえず宿舎に戻って一休みするかと思っていました。夕飯ももうコンビニとかでいいかなとか考えてたと思います。

 

 そしたら、たまたま隣の席に座っていたMさんが、荷物をまとめていた僕に話しかけてきました。今度は打って変わって僕の研究についての質問をされました。主に計算のセッティングについての話をされて、僕は誤謬のないように丁寧に説明をしました。

 

 一通り話が終わると、Mさんは、「そういえば、今夜知り合いのRさんという男の誘いで火鍋に行くことになっているんですけども、よろしければ一緒に行きませんか?」と話を持ち出してきました。僕は火鍋というものが何なのかイマイチピンと来なかったんですが・・・皆さん知ってましたか?まあ超簡単に言うと、辛い鍋ですね。肉とか野菜とかパクチーとか入れて煮込んで食べるみたいな、まあそんな感じです。

 

 僕は正直あんまり気乗りしたわけではなかったんですが、でもせっかくこうやって研究者サマたちの方から交流の機会を与えてくれているというのに、学生風情がその機会をあえて不意にするのもどうかなと思って、僕はそれに快く賛同することにしました。

 

 それでMさんについていくと、そこにはRさんと、先ほどのAさんもいました。Rさんと対面するのはこれが初めてだったんですが、Rさんは僕と同じ日にワークショップで発表をしていたので僕は知っていて、Rさんはというと、話によれば彼はマブと同世代の人間らしくて、マブの教え子ということで僕のことを知っていたみたいです。

 

 それで僕らは、京大から出て少し歩いたところにある火鍋のお店に行きました。お店の名前は覚えてないです、すいません・・・。

 

 

 飯の写真なんかパシャパシャ撮ってるの見られたくなかったので、皆が飲み物を取りに行ってる間にコッソリ撮りました。

 

 鍋を囲みながら、僕らは色んな話をしました。僕以外の3人は一時期同じ大学に所属していた時期があるらしくて、研究者の話になると結構その3人の身内の話に話題が移って、僕はあんまりついていけなかったです。僕がついていけなくて一人で鍋をズルズル食ってると、時々Aさんが気を遣って「ごめんね~こんな内輪の話ばっかしちゃって」って言ってくれたのですが、僕は「イヤイッスヨ、ハハハ・・・」と言って、一人寂しく鍋をすすっていました。

 

 それから、マブの話にもなりました。同世代のRさんが言うには、マブは駆け出しの時代からめちゃめちゃ優秀だったらしくて、今の地位についてるのもむべなるかなというか、「まあ彼は頭一つ抜けてたからねー」みたいな感じでした。

 

 まあなんというか、まあこのブログではマブとかいうふざけた名前で呼んでますけど、実際彼はめちゃめちゃ優秀な方なんですよね。もう30になる頃にはパーマネントのポストをもらうくらいには優秀な人で。で、彼と同世代のRさんはというと、現職が助教なんですよね。助教と言うと、昔は分かりませんが今はどこも任期付きで、まあ悪い言い方をすれば根無し草みたいなもんで、常に次の食い扶持を探さなければいけない立場なんです。まあ相場から言えばこれくらいが普通で、寧ろマブの歳で准教授の地位についてるのがおかしいくらいなんですけど、

 

 うーん、まあでもなんだろうな~、やっぱアカデミアの世界は厳しいな~って、なんかそういう、一種の現実みたいなものを思い知りましたね、改めて。もちろんこの場では言いませんでしたけど。

 

 あとはまあ数値計算の話とか、こういう調べ方をすれば計算コードとかをオープンソースで配布してる論文とかが見つけられるとか、そういう細かいアドバイスもしてもらいました。

 

 RさんとMさんは普通に職業研究者で、Aさんの方も学生ですが給付型の奨学金をもらっていて、収入ゼロ円なのが僕だけということで、食事代は皆さんの折半で奢ってもらいました。ありがたい話です。

 

 店を出て、僕だけ他の3人とは別方向に宿があるということで、ここで僕は皆さんとお別れして宿舎に戻りました。戻ったのは大体10時過ぎだったかな?前日に流星群を見に行って遅くまで起きていたのと、この時間まで活動していたことの疲労がたまって結構もう体力的には限界が近かったので、僕はもうさっさと風呂に入って寝ることにしました。シャワーを浴びて、明日のために軽く荷物をまとめて、ベッドに入ったのは大体11時過ぎくらいでした。まあ多分すぐには寝付けないだろうなと、でも寝れなくてもいいからとりあえず横になっておこうみたいな感じで布団をかぶって電気を消したのですが、なんか普通に10分もしたら眠くなってきてそのまま眠りに落ちていました。

 

 

12/16

 

 最終日。僕はこの日10時半の新幹線に乗って東京に帰ることになっていました。どうしてそんな早くの便にしたのかというと、この日は15:40からマブの担当する授業があり、僕はそこでTAを任されているので、それに間に合うようにしたいというのと、さらにその前の13:30からは、僕の分野に近い内容でセミナーみたいなものがzoomで行われるということで、その時間には居室のデスクに座っていたいという要請があったからです。

 

 僕は万全を期して8時半には起きて、細かい荷物とかをまとめて、9時15分ごろには部屋から出て宿舎からチェックアウトしました。受付には例のギャルっぽい女性と先日のお婆さんが二人ともいて、僕が鍵を渡すと、お婆さんの方が「この後はどこか見て回るの?」と聞いてきました。僕がそのまま京都駅に行って新幹線で帰るつもりだと言う旨を伝えると、彼女は「そうか~、朝早くから大変やね」と言ってきました。僕はこれが字義通りのねぎらいなのか、それとも京都人風の嫌味なのか判別できなかったので、「ハハハ・・・そうすね」と曖昧な返事で答えました。

 

 宿舎を出て、5分くらい歩いたところにあるバス停まで行って、その直後に来たバスに乗り込みました。このバスは京都駅に直接行く路線ではなく、地下鉄烏丸(からすま)線の丸太町という駅に向かうものでしたが、丸太町駅から数駅先に京都駅があるので、まあお金は多少かかりますが、外でバスを待ち続けるのも寒いししんどいということでこれに乗りました。

 

 行きはめちゃ混みのバスで揺られ続ける羽目になりましたが、帰りのバスはというと意外に空いてた、どころか普通にガラガラでした。時間帯にもよるのでしょうか。それともこっちの方向は基本空いてるのか?わかりません。

 

 まあそれで、京都駅には10時ごろに着きました。30分ほど早くついて暇だったので、僕は朝食兼昼食と、お土産を買っていくことにしました。ご飯には、駅ナカにあった志津屋という、なんか老舗らしいパン屋さんでパンを買っていくことにしました。食べたのは電車内ですがここで写真を貼っておきます。

 

 

 

 

 まあ正直な感想を言うと普通のパンですね。冷めてたからかもしれませんが・・・まあ普通に美味しかったんですけど。まあでも一般的なパンの美味しさから大きく逸脱するものではないですね。

 

 お土産はこれも駅ナカで買って、研究室の人たちになんか抹茶味のラングドシャみたいなのと、家族には阿闍梨餅(あじゃりもち)という、なんか有名らしい京都土産を買って帰りました。ちなみにこの阿闍梨餅は結構高いです。10個で1600円とか?まあ割といい値段しましたね。

 

 まあ正直京都土産なんて八○橋でいいかとも思ったんですが、まあなんか正直普通過ぎると言うか、京都土産=八○橋みたいなイメージに僕自身ちょっと辟易してるというか、京都行った人間みんなが八○橋を買って帰ってくるもんで正直ちょっと飽きてるみたいな側面はあったので、ちょっと別のものを買ってこうと思ってこれらを選びました。

 

 お土産とパンを持ってプラットフォームまで行き、10分ほど待つと、指定の新幹線がやってきました。窓際の席に座って、先ほど買ったパンをモサモサ食べて、それから僕は特にやることもなかったので、僕はiPadに持ってきていたBluetoothキーボードを接続して、ブログの最初の口上をいくらか書いていました。でもなんか途中で飽きてそれからは寝たり、窓の外の景色を眺めたりしていました。

 

 

 品川に到着。僕はキャリーバッグ、リュックサック、ショルダーバッグと共に山手線に乗り込み、そのまま大学へと向かいました。僕の研究室と隣の研究室の人たちにお土産を配り、セミナーを受け、TA業を遂行しました。ちなみに同期は「俺ラングドシャ死ぬほど好きなんだよね~」と言って喜んでくれました。いや、ラングドシャ死ぬほど好きなんてことある?

 

-------------------------------------------------------------------------------

 

おわりに

 

 以上です。いかがでしたか?いかがでしたかって言われても困ると思いますけど。

 

 まあこんな感じですね。まあ正直言って全然観光みたいなことはできなかったし、ただその辺あちこちで飯を食ってただけなんですけど。

 

 だからほんとはもっと短く、何なら1万文字くらいで抑えるつもりで、最初の方の口上では「今回は”京風”でいくんでw」みたいなふざけたことを言ってたんですが、結局3万文字超えちゃいました。トホホ・・・って感じですね。

 

 まあでもそれはどうしてかというと、研究会で色んな研究者の方が僕に話しかけてくれたり、ご飯に誘ってくれたりしたからであって、孤独にレクチャーを受けて孤独に飯を食べる6日間になると思っていた僕からすれば、それは嬉しいこと以外の何物でもないわけですけど。

 

 ああそれと、この文章を読んで、こんなことを思った方がおられると思います。

 

 「こんな人の名前バンバン出して大丈夫か?いよいよ個人レベルで特定されるぞ」と。「お前の個人情報は別にどうでもいいけど他の人の情報出すのはまずいんじゃ?」と。そう思った方がおられると思います。

 

 これに関して言っておくと、全く問題はありません。もっと言っておくと、そもそも彼らに充てたアルファベットはイニシャルでも何でもなくて、ただある順番に従って機械的に当てはめただけなので、このブログから彼ら個人の情報に行きつくことはほとんどあり得ません。

 

 ではそのある順番とは何なのか?アルファベットを登場順に並べてみてください。もうお分かりですよね?

 

 まあそんなわけで、ちょっと遊び心も見せたところで終わろうと思います。世間では今日はクリスマスイブらしいですね。もう2022年も終わるまで秒読みというところですけども、実は今年はあと1つブログを投稿するつもりでいます。まあ今年の総まとめみたいな感じの、そういうアレですね。まあもちろんモチベと時間次第ですが、でもまあよっぽど投稿すると思いますので、楽しみにしていてください。

 

 

 まあそんな感じで今回は終わりま~~す。ばいち~~~~

 

 

 おわり