アルルの日記 その1

 

 うーん、なんか正直、あんまり書くことが思いつかないんですよね。いつもみたいに、僕と、僕の周りで起きた出来事を時系列順に書いていけばいいような気もするんですけど、でも前回のブログって半年前とかだったんで、そこから全部書いていったらさすがに長すぎちゃうような気もするし、それに当時僕が何を考えてたかとか何を思ってたかって、そこまで正確に覚えてるわけじゃないし、まあとにかく、ちょっと微妙な感じがするんですよね。

 

 まあでもブログを書くと言ったからには書かなきゃいけないし、他に何かうまいやり方があるのかというと別にそうでもないし、なんだかんだ言って結局、またぞろいつもみたいに起きた出来事を順々に語っていくのが一番いいって話になっちゃうんですよね、結局。

 

 なんか最近ブログを書くたびに同じようなことを考えてる気がするんですけど、そして考えるたびに結局毎回同じ結論に落ち着いてる気がするんですけど、でもやっぱりなんか考えちゃうんですよね、こういうことって。たとえそんなことを考えるのは無駄だって分かっていたとしても、じゃあそれで考えるのをやめようって言ってスパっとやめられるかと言ったら、もちろんそういうわけじゃないんですよね。ていうかもしそれでサクッとやめられるんだったら、そもそもこんなブログなんか書いて過去のことでグチグチ言わないわけで。分かります?僕の言ってること?

 

 まあそんなわけで、いつも通り一番最初のところから話していくわけですけども。一番最初ってのはつまり、前回のブログを書いた直後の辺りからですね。つまり4月前半くらい?だいぶ前になっちゃいましたね。

 

 その頃の僕が何をやっていたのかというと、書き物に追われていました。まあ学期初めということもあって細かい事務手続きとかの書類が大量にあるってのはまあそれはそうなんですけど、それに重なって、どデカいタスクが主に2つあったんですね。

 

 1つは論文です。前回のブログでもちょっと言及した記憶があるんですけど、これは雑誌に投稿するためのもので、英語で書かなきゃいけないっていう、かなりハードなやつですね。

 

 それでもう1つは、奨学金の申請書です。奨学金というと、多くの方が思い浮かべるのは日本奨学金機構(JASSO)の、奨学金という皮を被った借金のことだと思いますが、博士課程に行く場合にもらう奨学金というのは大体においてこういうんじゃなくて、返済の必要がない、つまりホントにもらえる奨学金のことを指す場合が多いですね。給付型奨学金とか呼ばれたりしますけども。

 

 それで、まあ一口に給付型と言っても色々あるんですけども、僕が出そうとしていたのは「学術振興会特別研究員DC1」というやつで、まあいわゆる「学振(ガクシン)」というやつですね。ガクシンというと、アカデミアに行く人は皆知っているしほとんどの人はこれに申請するんですけど、というのは、もしこれに採択された場合、博士課程の場合、月20万円の給与(所得税天引き前、ボーナス・手当無)と、平均年80万~90万の経費、つまり研究費がもらえるという、まあ数ある給付型の奨学金の中でもトップクラスにデカい金額がもらえるんですね。

 

 なので皆これに頑張って応募するわけですけど、まあ皆応募するだけあって倍率がものすごく高いんですね、これが。参考までに去年のデータをお見せしますけども。

 

www.jsps.go.jp

 

 僕の申請したDC1は申請者約4000人に対して採択者がだいたい700人。つまりざっくり6倍弱くらいですね。まあつまり運ゲーってことですわ、実際のところね。

 

 ちなみに同じページにPDとDC2っていうのがありますけど、PDってのはポスドク、つまり博士課程を取った後の人が応募できるやつですね。それでDC2というのは、博士課程在籍中の人が応募できるやつです。

 

 あれ、それじゃあDC1はなんなん?って思った方もいらっしゃると思いますが、これは「採択年度に博士課程1年次に在籍する者」が応募できる制度です。つまり一般には修士2年生だけが応募できるんですね。

 

 なので博士課程に行く人はほとんど全員がDC1に応募します。それでごく少数が採択されて、採択されなかった人は次年度にDC2に応募します。DC2も博士課程向けの制度で、つまり採択された年度(つまり次の年)にもDに在籍してなきゃいけないということで、一般には博士課程1年次か2年次の人が応募することになります。

 

 こうした制度設計もあって、DC2の申請書は一般に業績勝負と言われているんですね。博士課程でバリバリ研究をやっている人たちが骨肉を削って争うわけですから、まあ論文なり学会発表なり、ある程度実績を伴っていなければ話にならないということです。

 

 一方で、DC1は基本M2の人しか応募しません。分野にもよりますが、修士2年の時点で論文を書けるような仕事をできるのは稀なケースで、モノによっては修士2年間が終わって未だに研究の指針がイマイチ固まってないなんてこともザラにあるわけです。例えば僕のいる物理学分野の、特に理論が難しい領域だと、修士論文でもレビュー(他の論文や教科書の内容をまとめた論文、有り体に言えばお勉強ノート)でも全然許される、ていうか寧ろそれが普通だったりします。要は修士2年の、もっと言えば申請書を書く4~5月の時期に、見た目で分かるような業績を立てられるってのは、まあよっぽど優秀な人でない限りは厳しいわけなんですね。

 

 じゃあどうやって採択者を選抜してんねんって話になるわけですけど、それが申請書なんですね、つまりは。自分の研究内容とか、研究計画とか、あとはなんかまあ自分の強みとか何やら、申請書には色々文章を書く項目があって、そこに書かれた文章を読んで、ああ、コイツはなんかデキそうなやつだなって奴を採用するっていう、まあ要は業績じゃなくて言葉で語れってことですね。

 

 まあでも、正直言って、まあ運ゲですわ、ぶっちゃけ。というのは、ガクシンの申請書を審査するのって、まあ詳細は不明ですけど、まあ大体においてその申請した人と同じ分野の人なんですね。なので人文系は人文系の人が審査するし、自然科学は自然科学系の人が審査するんですね。つまり僕の申請書を審査するのは、まあ大体において物理の人ってことになるわけです。

 

 物理学者の文章力なんてね・・・なんかもう・・・正直、あんまこういうこと言うのもどうかとも思いますけど・・・まあ、アレですよ、アレ。ぶっちゃけね。ぶっちゃけアレっす。正直な話ね。

 

 だから、いかな僕が大人気ブログ「アルルの小説」を運営している超天才美少女ブロガーだからといって、それで顔パスで申請書を通せるかと言ったら、まあ微妙なわけですね。「分かります?僕の言ってること?」って言って、「いや、分からないけど・・・」って言われたら終わりなわけですから。分かります?僕の言ってること?え、分からない?じゃあ死ね!

 

 ていうか、まあショーミな話すれば倍率めっちゃ高いからね。6倍ってホントにヤバいから。もうなんか、文章の上手さとか、そういう差がつけられる部分だけで決着がつくような倍率じゃないよね、ぶっちゃけ。だからまあ何と言っても運ゲ要素はあるわけです。これは僕の勝手な感覚ですけど、こういう上から順に取る系の選抜では、倍率が3倍超えたあたりから運要素というか、実力だけじゃどうにもならない要素が出てくると思います。

 

 それで、なんかここまでダラダラとガクシンの紹介をしてきましたけど、なんでこんなことをずっと話して来たのかというと、これが最初の話に繋がるわけですね。

 

 先ほど言ったのは、DC1の募集対象者である修士2年はみんな基本的に業績を持ってないから、申請書の文章で差をつけることになると言いました。

 

 

じゃあ、逆に業績を持っていたら?

 

 

 それって、めちゃめちゃ優里じゃないですか?間違えた、有利じゃないですか?間違えて三股してた方が出ちゃいました、ごめんなさい。

 

 まあ実際有利なんです。というか、申請時に筆頭著者(論文の著者名の一番目に名前が載ること。大体一番貢献した人の名前になるため実質その人の論文と言える)で論文を一本でも持っていたらほぼ確と言われているくらいには有利なんですね。

 

 まあそういうことです。だから論文を書いていたというわけですね、一番最初に戻るわけですけどここで。

 

 ちなみに僕がこの時点で論文を執筆する段階まで行けていたのは別に僕が特段優秀というわけでも何でもなくて、僕は卒業研究の時点から同じ研究テーマに取り組んでいて、それで他の人より長く研究に携わっているからっていう、ただそれだけの話なんですけど。でもそんなの審査する側はわっかんねーから。審査する側からしたら単に修士2年で論文書いてる優秀な学生ってことになってっから。

 

 まあそういうわけで、論文を書いていたわけです。ガクシンの申請書の〆切は5月いっぱいとかなので、それまでに論文を書き、投稿して、そしてその内容を申請書に盛り込んで提出しなければならないと。それで、まあ4月前半というと、残り2か月弱ですね。まあこれをどう見るかはその人次第だと思いますけど、ガクシンの申請書の執筆は相場として概ね1か月弱くらいは皆執筆に使うと思うので、まあ割ときついですね。割とさっさと論文を仕上げなきゃいけないと。

 

 で、冒頭でも言ったけどこの論文は英語で書かなきゃいけないんですよね。でも僕は別に英語が得意なわけでもなければ論文みたいな文章を書いたこともないので、まあ全然分からないわけなんですね。だから必然的に、この計画、つまりこの2か月弱で論文を仕上げて申請書を書くという目論見は、マブ、マブってのは、つまり僕の指導教官のことですけど、マブの不断のコミットメントありきの、つまりマブの全面的なサポートを前提としているわけですね。

 

 なんですけど、そうはいきませんでした。というのは、この時期マブは自分のなんか研究で結果が出たみたいなのでその論文を書いていて、その作業に追われて3月はほとんど僕の方に構えなくて、それで4月はどうだったかというと、新年度が始まって色々と事務作業が積み重なってしまって、僕の論文どころか研究関連のことはほとんどできないみたいになっちゃったんですね。

 

 それで僕の方はというと、一人で英語の論文を書き続けて、それと同時に、その論文の結果を踏まえてガクシンの申請書も書かなきゃいけないと、まあそういうことになってしまったわけです。

 

 いや、それが、うーん…..まあね?いや、分かりますよ、マブだって忙しいんだってことは。僕だってもう24歳になるわけですから、「自分の研究にかまけて僕のことを手伝わないのはおかしい!」なんてのが単なるワガママ、あまりに子供すぎる発想だなんてことは分かります。

 

 でもさ、約2か月間全く見てくれないってのはおかしくないか?僕は英語の論文の作法なんて右も左も分からないし、ガクシンだって、これの結果いかんで身の振り方が変わるくらいの大金が掛かってるわけですよ?単純計算、月20万の給与と年100万の研究費としたら、3年間貰えるんで1000万ですよ?あんなペラ紙何枚かで1000万もらえるかどうかが決まるんですよ?

 

 まあでもだからと言って、じゃあやりませんとは言えないわけで、一人で頑張って論文と申請書の二足の草鞋を履いて歩き始めたわけですけど、この申請書がね~、またきつかったんですよね。

 

 というのは、ガクシンの申請書って、文章で書くべき部分がざっくり6ページあるんですけど、まず1ページ目が「研究の背景、着想に至った経緯」を書けと言われるんですね。それで2,3ページ目は「研究の内容・計画、その研究の独創的な点など」を書く、まあざっくり3ページであなたの研究について話してくださいってことですね。これは、どっちかと言えば短い、というか足りない方ですね。まあ極論言えば、相場的に卒論の時点で50ページ、修論なら100ページくらいの文章を書くわけですから、まあこれは極論ですけど、まあ何はともあれ、ある程度情報を凝縮して書く必要があるわけですね。

 

 で、これに関して言うと、すいません、余裕っす。余裕というか、僕ってこの通り、長い文章書こうと思えばいくらでも書ける人間なので、都合上文章を増やすことより削ることの方が多いんですね。だからこっちはまあ慣れたもんというか、別に難なく書けたんですけど。

 

 問題は後半3ページなんですよね。僕は前半3ページのことを「申請書パート」って呼んで、対して後半のことを「ポエムパート」と呼んでいたんですけど。

 

 まず4,5ページ目に書く内容は、募集要項の説明をそのまま記載すると、

 

 

“””

本申請書記載の研究計画を含め、当該分野における(1)「研究に関する自身の強み」及び(2)「今後研究者として更なる発展のため必要と考えている要素」のそれぞれについて、これまで携わった研究活動における経験などを踏まえ、具体的に記入してください。

“””

 

 

 そして6ページ目は、

 

 

“””

日本学術振興会特別研究員制度は、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的としています。 この目的に鑑み、(1)「目指す研究者像」、(2)「目指す研究者像に向けて特別研究員の採用期間中に行う研究活動の位置づけ」を記入してください。

“””

 

 

 いや、、、その、、、何???就活?いや、ある意味では就活だけどさ。給料もらうわけだし。でもその、、、いや、何なの?

 

 だって論理が成り立ってないじゃん、これ。「創造性に富んだ研究者の確保を目的としてい」るなら、研究の内容を書かせるべきじゃん。「目指す研究者像を記入」させるのはおかしいじゃん。創造性じゃなくて「パッション」じゃん、それは。研究者じゃなくて「ポエマー」を確保しようとしてるじゃん。”””アパッショナータ”””じゃん、それは。

 

 いや~それは困るな~って、なっちゃったんですね、僕は。僕はそういうパッションのこもった文章を書くのが一番苦手なんです。分かります?僕の言ってること?まあ分かるだろ、これは。だったパッションあるように見えます?僕が。ないものは作れないんですよ、どう頑張っても。分かります?僕の言ってること?

 

 それに研究に関する自身の強みみたいなのも意味わからないしね。ここは元々、というかつい数年前までは、自分の実績とか受賞歴(当然ながら多くの学生はここを埋めきれず、大体においてよく分からない研究会とか学会の参加歴を書く場所になっていたようです)みたいなのを書くだけの場所で、淡々と事実だけを列挙していく項目だったらしいんですが、近年の改定で実績も含めて総合的な自分の強みをアピールするようになったようです。

 

 いや~それも困るな~って、なっちゃったんですね、僕は。僕はそういう、自分の強みとか長所みたいなのを書くのが一番苦手なんです。分かります?僕の言ってること?まあ分かるだろ、これは。僕には取り立てて言及するような長所なんてないし、あったとしてもそれを自ら文章にするのは気が引けますね。分かります?僕の言ってること?

 

 だからもうそれで、ホントに困っちゃったんですね、僕は。まさか研究の世界で生きていくのにこういう就活みたいな、悪く言えば欺瞞的な、世俗的な文章を求められるなんて思ってなかったんで。いや~こういう感じか~って、そうなっちゃったんです。

 

 まずもって、僕に長所なんてものはないです。このくらいの能力はある、というくらいの言及だったら言えますけど。なんかもうこの言い方がいかにも書けなさそうな感じしますよねなんか。実際書けないんですけど。

 

 結局なんか、僕って理屈クンなんですよね、結局。自分の理屈の範疇でしか文章を構成できないんです。本や映画の良さを伝える時も、自分が説明できる部分しか手放しに評価できないし、人の気持ちには自分が理解できる範囲でしか寄り添えないし、自分の気持ちを伝える時も、自分で納得できる範疇でしか伝えられないんです。だから自分の長所を言えと言われても、それを象徴するような事実、つまり具体的な実績があって、そこから客観的に、つまり他者からみてもそう推測される程度の長所、つまり能力しか、僕には言えないんです。だから必然的に、「弱い」言い方にならざるを得ないんです、僕の文章は。

 

 一言で言えば、覇気がないんです、僕の文章には。人に何か強い気持ちを起こさせない、人の気持ちを揺り動かすこともない、ただ情報をダラダラと伝達することしかできないんです。そのうちにうまく説明できない部分に入ってきたら、「分かります?僕の言ってること?」とかなんか適当なことを言って、理解の押し付けをしてるだけなんです、僕は。

 

 だからダメだって言ってんですよ、僕は。でもだからといって書かないわけにもいかないし、しかもそれと同時並行で論文も書かなきゃいけないし、よく分からないまま書き進めて、それを添削する人もアドバイスをくれる人もいないし、それでずっと、ずーーーっと独りで戦っていたんです、僕は。そして僕は、

 

 

 

 

 

 

 壊れました。

 

 それでなんか、もういいか、ってなっちゃって、逃げちゃいました。ゼミもミーティングも進捗報告会も全部サボって、それでもう気ままにやればいいかって。

 

 もともと僕が博士に行くってのは金銭的なフォローアップを得られればって条件付きだったわけだから、もう適当にやって落ちたら別に行かなければいいや、みたいな。論文ももう書き上げられないし、としたらガクシンなんてのはもうただの1/6で当たる宝くじにすぎないわけで、そのために必死こいて精神削って申請書書くのもバカらしいなって、まあそんな感じですね。

 

 それでまあもう全てを捨てて逃げ出して、なんかフラフラしてました。まあ研究とか趣味の勉強の方もちょいちょいやってたんですが、申請書の方は一切手を付けずに、なんかまあ全体的にダラーっとしてました。

 

 それで4月の終わりごろに、週1でやってる1時間くらいのミーティングにちょっと顔を出したんですが、それでもあんまり気分が上がらずに、「もう帰るか…」ってなってバッグ持って帰ろうとしたんですが、そこに、マブが現れたんですね。「アルルくん、最近来てないけど大丈夫?」みたいな感じで。

 

 それで、「論文の方は結果とかを見ながら進めたいから、まずは申請書の方を書いてもらって、ある程度書いてくれたら僕が添削するから」みたいなことを言ってきて、それで僕は、いや、そもそも論文の方も完成するかどうか怪しいんだから、そしてその実績如何で申請書の後半部分をどう書くかが決まってくるんだから、どの道書けないでしょと、だから無理ですと、そう言いました。いや、こんな高圧的な口調じゃないけどね実際は、僕はオタクくんなので。実際は、

 

 

「イヤ~マア…書こうとはしてるんですけどね~…ハハハ…デモ…論文の方がどうなるか….こう….分からないもんですから…マア…ダカラ…こう、アノー…..どう書いたもんかと言いますか…..ハハハ…イヤ、マア書こうとはしてるんですけど~…ハハハハ……」

 

 

みたいな感じです。まあでも言うべきことは言ったみたいな、そういう感じですね。そしたらマブの返答は、「いや、論文の方は絶対どうにかする。だから申請書は論文を出したという体で書いてくれ」と、まあそういうことを言ってくれたんですね。それで僕は、「え、絶対ですか?」みたいな、いかにもオタクくんみたいな感じのキョトン顔で聞き返しちゃったんですけど。

 

 それで僕は、まあ絶対と言われたらまあやるか~みたいな、まあそういう感じで、申請書に再び着手し始めました。それがだいたい、GWの直前くらいですね。

 

 で、もうちゃんと着手しようとなったら早いもので、GWが明ける頃には申請書の第一稿が出来上がって、マブに見せました。その時にはマブも割と手が空き始めていたので、それで論文の方もガーーーっと書き進めながら、申請書を添削してもらって、って感じで、ここからは〆切(5月末)までの申請書&論文提出に向けてもう全速力でやってました。

 

 ちなみに第一稿を見せた時のマブの所感は、「具体性に欠ける」でした。「全体的に良さげなことが書かれているけど、今ひとつ具体性に欠けていて、力強さがない」と。僕は自分の文章の本質を見透かされた気がして結構ヘコみました。

 

 だからその後の修正では、いかに僕の「色」を消せるかということにずっと苦心してました。僕が今ある「僕」として文章を書いている限りは、この変な文体も、理屈クン的な、つまり確信的な言い回しを避ける文章構成もなくならないんじゃないかと思って。必死で自分を殺して文章をかいてました。

 

 論文の方は、こっちの方はもうほとんどマブが主導で、僕が結果とざっくりした文章を書いて、あとはマブがそれを論文っぽい感じに仕上げるみたいな感じで。だからもうほとんどマブが執筆したようなもんですね、これは。

 

 ちなみにマブが手を付け始めた時には既に論文の骨子は大体僕が書きあげていたのですが、それを読んだマブの感想は、「書いたことには頑張ったと思うけど、全然ダメ。文法も全然論文らしくないし、構成も全然筋道だってない、読んだ人に伝わらない」でした。僕は普通に泣きそうでした。

 

 まあでも、こうして5月に入ってからは、論文も申請書もほぼフルコミットで見てもらったんで、それはありがたかったですね。だからこれを思えば、4月の下旬ずっと失踪してたのは、僕の早とちりと言うかなんというか、ある種身勝手な、子供じみた行動だったということになるわけですけど。

 

 まあでもオレは間違ったことをしたとは思ってないけどね。事務作業はともかく、自分の論文よりはオレに構うべきだろ、なあ?研究室の一回生で博士課程まで行ってやるんだぞこっちは?しかもその時マブが書いてた論文結局rejectされたっぽいし。何なんだよ。

 

 まあそれはどうでもいいんですけど。

 

 結果的には、〆切までには、無事に論文も完成して、それを踏まえてガクシンの申請書も出せました。いや説明適当すぎだろってなるかもしれませんけど、実際これ以降はただ作業してただけなんでね。あとアカデミアのことを若干知っている人に向けて補足しておくと、論文が完成というのは実際には雑誌への投稿ではなくて、プレプリントの公開ですね。だから実際に論文になったわけではないです、一応ね。あんまよう知らんひとは別に同じだと思ってくれていいんですけど、実際どうでもいいんで。

 

 まあそういう感じです。ちなみに提出は5月の末ですが、結果が分かるのは9月下旬~10月上旬ですね。だからこの間はずっと「待ち」ですね。9月のなかば辺りになると皆ソワソワし出すみたいな、そんな感じです。

 

 え、10月までならもう結果出てるだろって?まあ、はい、そうですね。まあもう結果は既に分かってます。まあでもこれは時系列順に書いていくって話だったんで。だからまあここで結果を先に言っちゃうのは”””違う”””よね。だから言いません。

 

 それで、じゃあ次はこの間、つまり申請書を提出する5月末までの間に起きたことを話していこうかなと思います。

 

 まずは僕の身体に関わる話で、耳が異常を来すようになりました。

 

 異常というとちょっと大げさですけど。まあちょっと聞こえが悪いな~くらいの感じですね。

 

 いや、聞こえが悪いな~ともちょっと違うんですよね。なんか変なのは、特定の音?なんか大きい音とかを聞いたりすると、それをトリガーにして、なんか耳がこもったみたいになって全体的に音が聞こえづらくなる、みたいな?例えば間近で弾いてるピアノの音とか、映画の銃撃シーンの音とか、あとは都会の喧騒とかでもそうなるんですけど。そういうのを聞くと、耳が詰まったみたいになって、なんか変なんですよね。単に耳が聞こえないとかそういうのだったら良かったんですけど、いや、良くはないけど、でもまあ原因は何かしら分かりそうじゃないですか。でもなんか特定の音聞いたら、って、そんなことあるかなぁ?って、なんかよく分からなかったんですよね。

 

 それで、僕は「なんかおかしいと思ったらとりあえず病院行け」を信条にしていて、他人にも言うし自分でも実践してる男なんで、もうすぐに耳鼻科に行きました。みんなもなんか変だと思ったら病院行った方がいいよ。それで何かあったら早期発見につながるかもだし、何もなかったとしても、「健康には問題なかった」っていう安心を買えるわけだから。「もしかしたら何かの病気かも・・・?」って不安を抱えながら過ごす時間が一番もったいないからね。

 

 話逸れたけど、それで僕は耳鼻科に行きました。それで聴力検査とか色々やったんですけど、まあ結果から言うと、よく分からなかったんですよね、原因が。寧ろ聴力なんか、「君この歳でこんな聞こえてるのすごいね~!」って言われるくらいで、僕なんかやっちゃいました?みたいな。そんな感じだったんですよね。

 

 それで結局町医者だとよく分からなくて、招待状書いてもらって基幹病院?っていうんですか?なんか地元の大きい病院にかかって、なんかめっちゃ大掛かりな機械で聴力検査したり、鼻から棒突っ込んで耳まで通して中の状態見たり、棒突っ込んだ状態で色々質問されて涙目になりながら返答したりとか、まあ色々やったんですけど、結局よく分かりませんでした。

 

 その先生はめちゃめちゃ親切で、色々考え得る病名を列挙していって、「でもこの病気の時はこういう症状も出るから違うと思う」みたいな感じで理由も合わせて否定する要因を教えてくれて、その上で「だから現時点では何が原因かは分からないです」って言ってくれたんですね。だからそれで僕も、「まあ何の病気でもないならそれはそれで良かったです」ってなって、それでこの件は終わったわけですけど。

 

 ちなみに言うと、未だに直ってはないですね、今のところ。改善はしてきたような気はしなくもないですけど。未だに、たま~にちょっと耳があれ?ってなっちゃう時がありますね、未だに。この前ノリでちょっとだけピアノ弾いたんですけど、その時やっぱりなんか詰まったような感じになっちゃって、それで萎えてやめました。

 

 なんか~・・・「啓示」なのかもしれないね、これは。もうお前は楽器弾くなっていう。まあ別に言われなくても弾いてませんけど。でももう遊びでも道楽でも楽器に触るんじゃないっていう、そういう思し召しなのかもしれないです、これは。

 

 まあそれならそれでいいけどね、僕は。別にもともと弾いてませんけど。そんなに音楽が大好きだったわけでもないし、才能があるわけでもないし、ただ惰性で10年間くらいやってただけなんで。

 

 まあそういう男ですよ、僕は。何事にも情熱を持てず、何ごとにも執着できず、ただ惰性で24年間生きてきた男です、僕は。

 

 きっと僕は死ぬときにも同じようなことを言うんでしょうね。まあいいやって。どうせ大した人生じゃなかったしって。そうやってなんか適当に理由をつけて、適当に納得して生きてるんですよ、僕は。でもそんな僕でも、申請書のポエムパート3ページをびっしり書き上げられたわけですから、人間捨てたもんじゃないですね、知らんけど。

 

 あんま暗い話だとあれなんで明るい話もしておくと、資格を受けました。前回のブログでも言ったと思うけど、ファイナンシャルプランナーですね。1月に3級を受けて受かったので2級ですね。

 

 まあこれは正直あんま話すことないんですけど。ただ思ってたよりは大変でしたね。2級の合格率が大体50%前後、つまり大体2倍くらいなんですけど、それくらいだったらまあ割と余裕だろうとタカをくくってたんですね。こう言うとなんかゴウマンな感じがしますけど、まあ僕は中学受験で10倍、大学受験でも5倍くらいの倍率のテストに受かってますから、まあ2倍くらいならまあ、って感じですね。

 

 まあそうやって舐めてかかってたら普通に痛い目を見たって話です、これは。午前試験と午後試験があって、午前はマークシートで午後は記述式っていう、まあよくある奴なんですけど、午前の方がかなり大変でした。3級の方は60問中30問が○×問題、残りの30問も単語の3択問題とかいうクソのクソソース和えみたいな難易度だったのに対して、2級は全部4択でしかもそれぞれの選択肢もちゃんと文章になってて、正しい記述をその中から選ぶみたいな、割と高級なタイプの選択肢問題になってました。

 

 しかもこれが結構細かいところまで聞いてくるんですよね。教科書の隅の方に書いてあるようなことに言及してきたり、似たような単語で引っ掛けてきたりとか。直前はずーっと過去問を解きまくってたんですけど、正答率で言うと大体いつも80%前後で、それ以上はあんまり安定しなかったです。合格点は60%だからまあ十分っちゃ十分なんだけどね。でも正直個人的には、練習で80%だとちょっと不安ですね。本番って何があるか分からないんで。

 

 まあでも結果から言うと受かってたので、それは良かったです。午前午後とも60%合格に対して85%くらいで、まあ上振れてくれたみたいな感じです。

 

 まあそういうわけなんで、お金のことならなんでも聞いてください。ちなみにFPの試験範囲は、1. 社会保険、2.生命・損害保険(任意保険)、3. 金融・資産運用、4. 税法、5. 不動産、6. 相続なので、この範疇だったらまあそれなりには分かります。もちろん専門職には到底及びませんけど。

 

 まあひっきょうFPって何なのかというと、アドバイザーなんですね、要は。大体何の分野も知識は持っていて、こういうのもありますよ~とかこうするといいかもね~とか、そういうふわっとしたアドバイスはできるけれども、具体的なことは何もできない。社保の書類を書くのは社労士の仕事だし、生命保険の勧誘とかもできないし、金融商品の取り扱いもできないし、税理士じゃないから税務の具体的なアドバイスはできないし、不動産の売買は宅建士を通さなきゃいけないし、相続とかの仲介は弁護士なしではできません。何でもできるようで何もできないってやつです。まるで僕みたいですね。いや、僕みたいは言い過ぎか。

 

 まあでも、知識程度で良ければそれなりには分かってるつもりなんで、まあなにか気になることがあれば。まあネット上の人間にお金のこと聞く奴なんかいないと思うけど。実際聞かれても逆に困るけどね、実際。僕は責任負えないし。

 

 まあそういう感じです。

 

 あとは、マリちゃんの映画ですね。皆さん観ましたか?僕は2回見ました。

 

 

 

 

 いや~良かったですね。なんか普通に、なんか、普通に良かったですね。いい意味で。

 

 字幕と吹き替え両方見たんですけど、両方良かったです。僕って結構映画の吹き替えってあんま好きじゃないんですけど、というのは、なんか日本語で喋られると、細かい部分が気になっちゃうんですよね。セリフと口の形が合ってなかったり、あとは声と役者のイメージが若干違かったり、だってそれはそうですよね、だってその人の演技に別の人が声を当ててるわけですから。あとはなんか、テンションが違うというか?なんか、分かります?めっちゃ緊迫したシーンなのに、吹き替えはなんか普通にフランクに喋ってたりとか、そういうのあるくない結構?ない?まあ僕が観た映画が悪いって可能性は十二分にあるんですけど。

 

 まあそんなわけで、僕は洋画を見るなら絶対字幕!って決めてるんですけど、マリちゃんは両方見たんですね、好きだから。でもなんか、その、良かったですね、すごく。アニメ映画だからかな?口の形とかもあんま気にならなかったです。あと声優もなんかイメージにカッチリはまってて良かったです。むしろ僕的には英語より日本語の方がイメージに近い気がしたかな?まあこの辺は感性の問題だからアレですけど。

 

 まあ何はともあれ、字幕でも吹替でも結構楽しめたので、なんか、普通にいい映画だったな~って感じです。片方しか観てないって方は、ぜひもう片方も観ることをお勧めします。僕はエンディングの昔のBGMとかがメドレーで流れてくる場所で思わず泣きそうになっちゃいました。

 

 まあそんな感じですね。これで4月と5月の出来事は大体話せたかなと思います。もしかしたら見落としというか忘れてる部分もあるかもだけど、まあいいでしょ。忘れてるってことはどうでもいいってことだと思うんで。どうでもよくなかったらまた別の機会に話せばいいしね。

 

 まあそういう感じです。いや~、正直僕は当初は、この半年間の出来事を一気にギュッと、ギュッと、ガチャガチャキュ~っと1本の記事にまとめてあげる予定だったんですけど、実はもうすでに13000文字くらい行ってるんだよねこれで。まあほとんどはガクシンについての説明だったけど。でもガクシンの説明なしにアレコレ僕の気持ちを述べたところで、「そんなに重要なのこれが?」みたいな感じになっただろうし、まあ必要な犠牲だったのかな~という気もします。

 

 まあ上手いことやればもっと説明削ってもっと端的に要点だけを伝えられたのかもしれないけど、そういうんじゃないから、このブログは。僕が思ったことをただ思った通りに書こうと思っただけなんで。思った通りに書いたらこうなったってだけなんで。なんか文句あるんすか?

 

 まあそういう感じですね。だからまあ今回はこの辺で切って、次回のブログは6月以降の出来事に焦点を当てていくって感じにしようかなと思います。まあ正直な話をすると、今後修論とか色々あるんで、次のブログの投稿がいつになるかは分からないんですけど。

 

 

まあそもそもこのブログも、書き始めてから1か月くらい経ってようやく投稿に至った始末なんですけど。

 

 

 

おわり